IMG_0214 ディスカウント(DS)スーパーのトライアルカンパニー(本社・福岡市)は、2014年に道内で7店舗を出店する見通しだ。道内の景気は「アベノミクス」効果が乏しく、消費者の志向はより低価格な商品を求める傾向が高まっている。DSのニーズは消費増税後にさらに高まるものとみられ、トライアルカンパニーは多店舗出店で低価格ニーズを取り込む。(写真は、カウボーイ恵庭店を継承して08年にオープンしたスーパーセンタートライアル恵庭店)
 
 同社は、既に14年に3店舗を出店することを明らかにしている。7月23日に店舗面積約3800㎡の「スーパーセンタートライアル苫小牧柳町店」(苫小牧市)、同月23日に同じく3800㎡の「スーパーセンタートライアル千歳清流店」(千歳市)、さらに8月25日には同3000㎡の「スーパーセンタートライアル登別店」(登別市)と千歳―苫小牧―登別の道央ベルトラインに既存店舗と合わせ一挙に倍増の6店舗体制を築く。さらに出店を継続し、最終的に14年は7店舗を新設する見通しになっている。
 
 同社は、08年から旧カウボーイ店舗跡などに居抜き出店したり釧路町や釧路市で新設出店するなど現在は道内で17店舗を運営している。
 
 消費者の低価格志向は一段と強まっている。円安による輸入原材料の価格上昇に引きずられて食品価格は値上げが続いているほか、豪雨や猛暑など世界的な天候異変で食原料の一部には品薄が発生、今後価格高騰に繋がる事態も起こっている。さらに、4月の消費増税で所得が伸びない一般家庭では「品質よりも価格」のニーズがより強まっていくものと見られている。
ある流通関係者は、「今年はこれまでにないくらいの深刻な経営環境になるのではないか。今年をどう乗り切るかは流通各社の最重要課題になっている」と言う。
 トライアルカンパニーは、道内への多店舗出店で消費増税後の買い物需要変調に対応するものと思われる。


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