アークスは7日、グループ各社の社長や幹部と取引先を集めた新年名刺交換会を札幌パークホテルで開催した。毎年恒例の新年行事だが、今年は昨年よりも1割ほど多い約1500人が集まり、一昨年から公取問題で揺れていたアークスが復活する元年になることを印象付けた催しになった。横山清社長は、「今年は時速90kmを取り戻し、私も営業に積極的に口を出す」と反転攻勢を強く訴えていた。(写真上段左から横山清社長、守屋澄夫ラルズ社長、写真下段左から古川公一アークス取締役、福原郁治社長)
参加したのは横山社長や福原の福原郁治社長、ジョイスの小苅米秀樹社長、篠原商店の篠原肇社長などグループ各社のトップのほか、メーカー、食品卸の幹部ら約1500人。ユニバースの三浦紘一社長は青森での所用で欠席、福原の福原朋治会長は風邪のために欠席した。
冒頭に挨拶した横山社長は、「アークスの機関車だったラルズは、一昨年初めの公取委の立ち入り検査以降、皆さんにご迷惑をかけたが、昨年課徴金を支払った上で(優越的地位の濫用とされた)行為は、業界の慣習でもあったため審判を申し立てた。この問題は業界全体にも及ぶので、新日本スーパーマーケット協会380社のメンバーの意見を聴きながら、改善すべきところは改善するように一緒に(健全化に向けて)行動していきたい」と語った。
また、「今春の消費増税は、97年の増税時よりも2倍、3倍の大きなインパクトを業界に与えるが、我々は公取に罰せられた経験を活かして、皆さんと一緒に60㎞の減速から90㎞にスピードアップして走る。ラルズの営業面に関してはこの10年間なるべく口を出さないようにしてきたが、今年は店舗改装や新店、人事刷新など営業にも口を出す。グループ上げて総攻撃に転換する年にする」と訴えた。
続いて、昨年5月にアークス取締役に就任した守屋澄夫氏(ラルズ社長)と古川公一氏(ラルズ取締役管理部門担当)が挨拶。
守屋氏は「今まで忍耐を続けてきたが、今年はいよいよ積極的に攻めの姿勢で行く。グループ全体で増税の難関に立ち向う」と述べ、古川氏は「管理部門は守りのイメージが強いが、守るべきところは守り、脇を固めるところは固め専守防衛だけではなく攻撃的守備、攻めの管理でグループ全体の総攻撃に積極的に参加する」と宣言した。
同じく昨年5月に取締役に就いた福原郁治氏(福原社長)も登壇、帯広・十勝地域の食品スーパー事情について触れ、「ダイイチやいちまるの大手傘下入りは、福原にとって良い刺激になった。もう一度、チャレンジャーとして変革をリードし、大変な戦いが始まる中でピンチをチャンスに変えて行く」と語った。