アークス・横山清会長CEOインタビュー③「2033年総売り上げ1兆円構想」

流通

 2025年の北海道流通業界は、イオン北海道の西友承継、ロピアの北海道展開が本格的に始まった年だった。GMS(総合スーパー)の一極化とSM(スーパーマーケット)とDS(ディスカウントストア)の対立構造が鮮明化した1年だった。明けて、2026年の北海道流通業界は、どんな変化を迎え、どんな方向に進んでいくのか。リアルエコノミーは、新年恒例のアークス・横山清会長CEO(90)のインタビューを元日から掲載している。最終回の3回目は、アークスグループが掲げる「2033年総売上げ1兆円構想」などについて聞いた。(写真は、インタビューに応じるアークス・横山清会長CEO)

◎新日本スーパーマーケット同盟

 新日本スーパーマーケット同盟では、バローホールディングス(本社・岐阜県多治見市)が、関東1号店を横浜市港南区に出店した(2025年11月)。4ヵ月に1度、3社の持ち回りでミーティングを行っているが、11月は、そのバローの旧ヤマダデンキ跡の新店舗を視察するなどして、ミーティングを行った。次は、アークス(本社・札幌市中央区)の番だが、札幌ではなく、仙台でミーティングを実施することにしている。

 リテールパートナーズ(同・山口県防府市)もそうだが、3社ともにホールディングス。そのホールディングスをまとめて、一括ホールディングスにしたいという意見もあるにはある。極端なことを言ったら、セブン&アイ・ホールディングス(同・東京都千代田区)が、仮にヨーカ堂を手放したら、一緒にやるのではないかという話もないわけではない。もっとも、そんな気は全然ないが。

◎2033年総売り上げ1兆円構想

 ラルズに関して言えば、2026年は苫小牧に出店する。この店舗は居抜きになるが、新しい建物を建てて出店することは、あと1年くらいは我慢したいと思う。現在、本州でアークスグループと一緒にやりたいという先が2、3ある。ただ、オータニ(本社・栃木県宇都宮市)がまだ赤字のため、少し時間をかけている。オータニを含めた体制で、場合によったらオータニがその先を吸収するなど、さまざまな形があってもおかしくないとみている。その調整などが必要だ。

 手元資金は、2026年2月期決算で900億円を超えるくらいになると思う。それをベースにすれば、3000億円から4000億円は無理なく動かせる。トライアルが西友を買ったのは、3800億円。あれくらいのことはできる。私は、首都圏で無理して資本投入して売上げを上げていくよりも大変かもしれないが、準首都圏的なところに資本投入していく方が、戦略的には良いと思っている。

 アークスグループは、設立30年の2033年に総売上げ1兆円を達成する計画を進めている。その流れから言うと、スーパー経営とは別になるかもしれないが、ラルズが、筆頭株主のニッセンレンエスコート(本社・札幌市中央区)がある。私が取締役名誉会長をしており、個人としても4番目の株主になっている。あそこもカードを発行しており、アークスのRARAカードとの連携も行っている。

 ニッセンレンエスコートには、狸小路商店街をはじめ、専門店の方々が多く加盟しているので、そういう方々のプライドを傷つけるようなことはしないが、狸小路商店街でも後継者がいなくて、シャッターが下りているところも多い。また、アークスの前々身、大丸スーパーの2代目社長、中山大五郎さんは、狸小路商店街理事長で全国の日専連理事長を務め、任期半ばで亡くなっている。そんなことも含めて、中山さんが一生涯をかけた仕事を損なうことがないようにしたい。このことについては、アークスグループ全体の中で、何も決まっていることはない。ニッセンレンエスコートは、きちんと利益も出ているから、今すぐに余計なことをする気はない。

 だけど、場合によっては、ラルズも出資しているわけだから。あそこは、取扱高が2000億円くらいある。現在のアークスグループの売上げと単純合算すると約9000億円になる。さらに、他と手を組んでやっていけば、1兆円は目先ということになる。

◎ツルハとウエルシア統合の影響

 ツルハホールディングス(本社・札幌市東区)とウエルシアホールディングス(同・東京都千代田区)が経営統合した。私たちグループへの影響はあっても、死命を決するような状況にはならないだろう。ドラッグストアは、食品分野に入らないと、行き先が詰まっている。これまでは、食品を安く売って、客を集めて儲かる薬などを売るというモデルでやってきたが、今は、病院の半分が赤字という時代だ。現状、私たちは、ドラッグストアを甘く見ている面があるが、苦し紛れに頑張られると、私たちにも直接売り上げに影響が出てくる。今でも、ドラッグストアの食品価格設定について、よく調べろと社内で言っている。少なくとも、彼らの店舗に行かないと買えないような状況には、絶対するなと。このように警戒要素はあるが、今のところは何とか対応できている。(終わり)

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