CiiNA CiiNA屯田で「Can★Do」と「DAISO」の競演ならず

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 札幌市北区屯田の商業施設「CiiNA CiiNA屯田」で、100円ショップ「Can★Do」と「DAISO」の2ブランド競演が、実現しなくなった。競合する100均が、同じ商業施設に店舗を構えれば、全国的にも注目を集めるとみられていたが、既存テナントの「Can★Do」が、新規テナントの「DAISO」に押し出されるような形で閉店する。(写真は、2025年7月17日に閉店する「Can★Doシーナシーナ屯田店」)

「CiiNA CiiNA屯田」には、核テナントの「ロピア」が、2024年11月23日に居抜きオープンしたが、旧ヨーカドー閉店後の同年8月29日には、ヨーカドー時代から営業していた複数のテナントが、早々とプレオープンしていた。「Can★Do」もその一つで、営業を続行した。

 そうした中で、大創産業(本社・東広島市)が100均の「DAISO」、“ちょっといいのが、ずっといい”をコンセプトにした「Standard Products」、“あいらしい。そして私らしい。”をコンセプトにした「THREEPPY」といった3ブランド複合店を出店することになった。その複合店舗は、携帯ショップを挟んで「Can★Do」と隣り合わせ。大創産業の出店に向けた改装工事が始まった中で、「Can★Do」は、沈黙を続けた。

 業界の仁義なき戦いが、ここ札幌から始まるのかとみられたが、このほど、「Can★Do」が、店頭に閉店告知を掲出した。閉店日は、2025年7月17日(木)。翌日の18日(金)には、大創産業の3ブランド複合店が、オープンする。その差、わずか1日。「Can★Do」の閉店告知の掲出タイミングが遅かったため、通常はあり替えない100均2ブランド競演に、期待感も出ていた。

 商業施設内のテナントリーシングで、同じ業界のテナントが入る場合、閉店と開店には、一定の期間を設けるのが常識。そこには、テナントに対するリスペクトがあるからだ。今回、外形上は、「Can★Do」が「DAISO」に押し出されるように見え、「Can★Do」は、負け組と買い物客の目には見えてしまう。CiiNA CiiNAのリーシング姿勢にも疑問符が付く。

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