ラルズとイオン北海道のスーパーマーケット部門、広がるトップラインの差

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 ラルズ(本社・札幌市中央区)とイオン北海道(同・同市中央区)のスーパーマーケット部門(「マックスバリュ」「ザ・ビッグ」「フードセンター」)のトップライン(売上高)の差が、広がっている。2025年2月期のイオン北海道のスーパーマーケット部門の売上高は、1638億6800万円で、ラルズと90億円近い差をつけた。今期は、さらに差が開きそうだ。(写真は、ラルズの「スーパーアークス明徳店」)
(写真は、イオン北海道の「マックスバリュ苫小牧清水店」)

 かつて、ラルズと旧マックスバリュ北海道は、トップラインを競り合っていた。旧マックスバリュ北海道が、旧ジョイや旧いちまるをM&Aすると、ラルズは、旧スーパーチェーンシガをM&Aするなど、デッドヒートを繰り広げていた。イオン北海道と旧マックスバリュ北海道が、2020年3月1日に経営統合、1年目となる2021年2月期は、ラルズのトップラインが1408億3000万円だったのに対して、イオン北海道のスーパーマーケット部門は1381億1700万円。ラルズが、27億1300万円の差をつけていた。

 しかし、2022年2月期は、収益認識会計の導入もあって、ラルズは1364億8000万円、イオン北海道のスーパーマーケット部門は1385億8700万円となり、イオン北海道が、21億700万円の差をつけて逆転。以降、2023年2月期は7億9500万円、2024年2月期は33億6900万円、2025年2月期は89億1100万円と、差が大きくなっている。

 その要因の一つとして、店舗数の差がある。ラルズは、2021年2月から2025年2月期の5年間、74店舗で変化はなかった。一方、イオン北海道は、2021年2月期の86店舗以降、85店舗→86舗→88店舗→92店舗という推移を辿った。店舗差は、2021年2月期の8店舗以降、9店舗→8店舗→14店舗→18店舗と広がった。

 イオン北海道は全道、ラルズは札幌圏という展開範囲の違いがあり、一概に店舗数で判断することはできない。利益を見てみると、ラルズの2025年2月期の純利益は57億8200万円で、イオン北海道のGMS(総合スーパー)部門を含めた全体の純利益36億600万円を上回っており、財務体質には差がある。トップラインの差が、利益の差に直結するわけではないが、トップラインの差が広が続けるのは、好ましいとは言えない。その差100億円を目前に、ラルズは、次の一手を温めているのかもしれない。

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