アークス(本社・札幌市中央区)グループの中核子会社、ラルズ(同・同)の稼ぐ力がパワーアップしている。アークスの2025年2月期決算では、純利益に占めるラルズのウエートが50%を超えた。多くのスーパーマーケットが増収減益の中で、増収増益を確保、売上高営業利益率は、グループトップの5%を堅持した。ラルズの稼ぐ力を、グループ内に横展開する取り組みも始まっている。(写真は、ラルズが展開している「おさかな食堂」コーナー)
2025年2月期のラルズ売上高は1549億5700万円で、前期比4・5%増となった。道南ラルズ(本社・北斗市)の6%増には及ばなかったが、中核子会社のユニバース(同・八戸市)の3・5%増、ベルジョイス(同・盛岡市)の1・9%を上回った。アークス全売上高に占めるラルズの比率は25・4%となり、前期と同様に4分の1を超えた。
ラルズの営業利益は78億1800万円で、スーパーの稼ぐ力の指標となっている売上高営業利益率は5・0%を維持している。業界平均が1~3%台であるから、それを大きく上回るが、インフレが続いているため、前期の5・2%よりは、減少を余儀なくされた。純利益はどうか。ラルズは、57億8200万円を計上、前期よりも2・4%増やした。アークス全体の純利益額は110億6300万円で、ラルズの占める割合は52・5%と、半分を超えた。売上高は4分の1だが、利益は2分の1ということになる。
こうしたラルズの突出した力を、グループ内で横展開する動きも始まった。惣菜商品の開発や陳列、値決め、原価低減などラルズ流の営業を伝授するもので、ラルズの営業会議には、主として道内グループ各社のトップもWEBやリアルで参加している。アークスの古川公一副会長は、「ラルズが戦略をどう決めて、どうフォローしているかを道内グループ各社が学んでいる。こうした学習効果がどう出てくるか、今期が楽しみ」と話す。2025年2月期の売上高経常利益率は、福原(本社・帯広市)が3・2%、道北アークス(同・旭川市)が1・0%、東光ストア(同・札幌市豊平区)が2・4%、道南ラルズが2・9%となっている。ラルズの売上高経常利益率は5・3%で、各社がそこに近づけば、グループ全体の稼ぐ力が高まる。