道民の間でも長年親しまれてきた家電量販店「100満ボルト」の屋号が、2025年4月1日(火)から「エディオン」に切り替わる。一挙に全転換するのではなく、6月頃まで時間をかけて、1店舗ずつ順次看板を変えていくグラデーション転換となるため、店頭では、「エディオン」と「100満ボルト」のビジュアルが並存する期間もある。ともあれ、40年以上にわたって、あのCMの独特の節回しとともに生活に溶け込んだ屋号が消える。(写真は、「100満ボルト帯広本店」に掲げられている感謝のメッセージ=サンキュー提供)
「100満ボルト」を展開しているのは、サンキュー(本社・石川県野々市市)。エディオン(同・大阪市北区)の100%子会社だが、2025年4月1日付でエディオンに吸収合併されることに伴って、屋号が消えることになった。「100満ボルト」の屋号は、1983年に帯広市で創業した、電器店オオツカが使った「百満V」に由来する。サンキューは、それより早い1976年に福井市で創業したが、屋号は「3Q」だった。両社トップ同士の交流が始まったのは、1992年。「どういうきっかけで経営者同士が知り合ったのか、記録がないので分かりませんが、サンキュー側が『百満V』の屋号に興味を持ったようです」(サンキュー営業本部ELS・物流サービス部諸橋真樹部長)。
サンキューは、翌1993年に石川県の「3Qエレキ館」を「100満ボルト」に変更、オオツカの「百満V」を引用して自社店舗に使い始めた。1996年、サンキューは、オオツカの電器店「百満V」を継承、北海道に初進出した。それを機に、屋号を「100満ボルト」に変えて、北海道での出店を開始した。本州でも展開を始め、現在は、32店舗(北海道8店舗、石川県8店舗、福井県7店舗、富山県5店舗、鳥取県と島根県に各2店舗)がある。
(写真は、「100満ボルト旭川本店」)
「100満ボルト」は、耳に残るCMソングとともに、北海道日本ハムファイターズのスポンサーとしても道民に溶け込んでいる。そんな馴染みの深い屋号だけに、利用者からは、屋号が消えることを惜しむ声も出ている。屋号発祥の帯広市にある「帯広本店」には、そんな声を受け、歴史を盛り込んだメッセージが掲げられている。屋号発祥の地であるため、「帯広本店」は、現在も道内8店舗の中で売り上げナンバーワンの店舗となっている。
前出の諸橋部長は、「CMソングは『100満ボルト』のリズムを生かして『エディオン』にしますし、日ハムスポンサーも継続します。店名は変わりますが、今までと変わらずにお客さまに寄り添って、お困りごとを解決できるように努めます」と話している。
「100満ボルト」は、家電量販店の中でも、キッチンや風呂、オール電化などのリフォーム事業が、売り上げの10%以上を占めており、家電量販店の中でも差別化が進んでいる。「エディオン」への変更後も、リフォーム強化を進めていく考え。