50年ほど前に建設された、ボウリング場を利用した「無印良品」が誕生した。良品計画(本社・東京都豊島区)が、2025年2月28日にオープンさせた「無印良品コープさっぽろソシア」(札幌市南区川沿5条2丁目3-10)。木の装飾と明るい照明で、年輪を感じさせない売り場に文字通り再生された。(写真は、2025年2月28日にオープンした「無印良品コープさっぽろソシア」)
コープさっぽろ(本部・札幌市南区)が展開する「コープさっぽろソシア」は、1975年に建設された札幌東宝ボウルの跡を増設して、利用している店舗。核テナントの「コープさっぽろ」のほか、「ダイソー」や「サンキ」、飲食などのテナントが集積している。かつては、40レーンあったボウリング場跡には、テナントの変遷があったが、直近は、2023年12月末まで営業していた「ベスト電器川沿店」だった。
その店舗跡に入ったのが「無印良品コープさっぽろソシア」。「ベスト電器」時代は、内装がそれほど凝っていなかったため、「ボウリング場」跡の“いかにも感”が漂っていたが、今回は、内装や床張りに木が多用され、洗練でお洒落な空間に再生された。そんな中で、ボウリング場の痕跡があるのは、レーンに下りるまでのわずかな階段。3段ほどの短い階段だが、店のアクセントにもなっている。また、レーンの先、ピンが立っていた場所に向かって、天井が、穏やかな傾斜になっているところもそのまま利用している。
道内の「無印良品」は、今回の新店舗で24店舗になるが、ボウリング場跡の店舗は、今回が初めて。時代の先端を進む「無印良品」と高度成長期の名残りを継承しているボウリング場跡のアンバランスな組み合わせが、逆に不思議な魅力を醸し出している。
札幌市内で、ボウリング場跡を商業施設として利用している例として、ラルズ(本社・札幌市中央区)が展開する「スーパーアークス光星店」(東区北13条東3丁目1-30)などがある。東光ストア(同・同市豊平区)が展開する建て替え前の「東光ストア豊平店」(豊平区豊平6条9丁目1-18)もボウリング場跡を利用していた。
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