ビックカメラ(本社・東京都豊島区)が50%を超える、株式を持つコジマ(同・栃木県宇都宮市)が、2024年11月30日、「コジマ×ビックカメラCiiNA CiiNA屯田店」(札幌市北区屯田8条3丁目5-1)をオープンさせた。これに合わせるように、屯田地区の家電量販店が、「徹底対抗」の販促を始めた。屯田地区は、「ロピア」参入によるスーパーマーケット沸騰に続き、家電量販店も沸騰状態に入った。(写真は、オープン前の「コジマ×ビックカメラCiiNA CiiNA屯田店」)
「コジマ×ビックカメラ」は、コジマならではの「お客さまに寄り添った接客」に、ビックカメラの充実した品揃えを融合させたコンセプト店舗。北海道では、「イオン西岡店」(札幌市豊平区)、「函館店」(函館市)のほか、2023年11月23日に「新さっぽろデュオ店」(札幌市厚別区)をオープンさせており、今回の「CiiNA CiiNA屯田店」は4店舗目。店舗面積は約708坪(2338㎡)。
大型商業施設「CiiNA CiiNA屯田」には、2024年11月23日に、低価格スーパーの「ロピア」が道内初出店。初日に1万5000人という買い物客を集めるなど、その集客力は群を抜く。「コジマ×ビックカメラ」は2階に入ったが、「ロピア」との相乗効果は大きい。
屯田地区は、長くヤマダデンキ(本社・群馬県高崎市)の「テックランド札幌屯田店」(屯田7条3丁目2-2)の1店舗しかなかったが、2023年11月に、デンコードー(同・宮城県名取市)が、「ケーズデンキ屯田店」(屯田8条10丁目1-1)を新設オープンさせた。これにより、屯田地区は、家電量販店の競い合いが激しくなっていた。そこに参入したのが、「コジマ×ビックカメラ」。「ケーズデンキ」登場から1年で、三つ巴の戦いになった。
家電量販店の売り上げは、天候変動や入学・入社時期、公的給付金などによって激しく変動する。例えば、道内では2024年3月以降、5月までは、売上高前年比10%以上の伸びだったが、7月以降は減少し、8月、9月は10%以上の減少だった。売り上げの振れ幅が大きい家電量販業界だけに、販促戦略は生命線ともいえる。
「コジマ×ビッグカメラCiiNA CiiNA屯田店」のオープンに合わせて「徹底対抗」を打ち出したのは、「ケーズデンキ」。「コジマ×ビックカメラ」のセール期間に合わせて、《他店のチラシをお持ちください!》と呼びかけるチラシを折り込んだ。ヤマダデンキもセール期間に合わせて「歳末ボーナス還元セール」のチラシを折り込んだが、チラシのコピーは、「ケーズデンキ」ほど挑戦的でなく、むしろ抑制的。
道内の統計から見る限り、家電量販店の12月、1月は、それほど売り上げが伸びる月ではない。各社が見据えるのは、3月~5月のいわばハイシーズン。今回の戦いは、そこに向けた前哨戦という側面が強い。とはいえ、熱き戦いが始まっているのは事実。「ロピア」オープンに次ぐ「コジマ×ビックカメラ」の参戦で、屯田地区は、スーパーだけでなく、家電量販も「沸騰」してきた。