日本アクセス北海道(本社・札幌市東区)の取引先などで組織する北海道アクセス会(会長・藤井幸一サンマルコ食品会長)は2024年11月13日、札幌市中央区の札幌パークホテルで、「2024年度北海道アクセス会フォーラム」を開催した。約280人が出席した。(写真は、事業報告をする日本アクセス北海道の黒沢忠寿社長)
北海道アクセス会の藤井会長による挨拶の後、日本アクセス北海道の黒沢忠寿社長が登壇、同社の上期業績について報告した。それによると、売上高は525億3300万円で、前年同期比0・9%増となった。黒沢社長は、「2024年上期は、昨年までの値上げによる単価上昇が一巡して、出荷数量が減少した。値上げ品目数は年々減少しているが、未だに続く値上げで、消費は停滞気味となっている。コメ不足と新米価格の上昇などもあって、節約志向が加速していると感じる」と話した。
業態別売上高については、「リージョナルチェーンやナショナルチェーンは、順調に伸長した。主要得意先の伸長に加え、ディスカウント業態の伸長も寄与した。CVS(コンビニエンスストア)は、帳合変更の影響で前年割れとなった。下期からは、得意先の業態の変化もあり、注視が必要だが、得意先との取り組みを強化して売り上げ拡大に努めたい」と述べた。
続いて、2024年1-10月の市場データを示し、買い上げ金額と買い上げ点数の前年比を分析、「1-6月は買い上げ点数と、買い上げ金額の前年比伸び率の差は、平均5%以上の開きがあって、いずれも金額の比率が上回っていた。これは、昨年までの値上げの関係が残っていたため。しかし、7月に入って、初めて買い上げ金額と買い上げ点数の前年比伸び率に差がなくなり、9月10月も同様の傾向が続いている」とした。
業態別の買い上げ金額と買い上げ点数については、「SM(スーパーマーケット)業態は、8月を除いて7月、9月、10月と買い上げ金額と買い上げ点数の伸び率に差がなくなってきている。ドラックストア業態の10月は、買い上げ金額は106%、買い上げ点数は101%となり、SM業態を上回っている」と示した。
SM業態では、8月に買い上げ金額の伸び率が前年比104・4%と、高い値を示したことについて、「コメ不足による買い占めが起きたことが要因と考えている。コメに関しては、8月は駆け込み需要によって、買い上げ数量は、前年比50%増となったが、9月は前年比80%台に落ち込み、10月は落ち着きを見せている」と報告した。
日本アクセス北海道の2024年度上期主要カテゴリー別商品売上高は、次の通り。カッコ内は前年同期比。
▷家庭用ドライ72億9800万円(2・9%減)▷家庭用乳製品45億8700万円(2・1%増)▽業務用食品20億5800万円(1・7%増)▷生鮮食品8億7800万円(6・2%減)▷和日配81億3200万円(1・9%増)▷洋日配102億4700万円(4・2%増)▷アイス51億6700万円(1・1%減)▷冷食69億5200万円(1・6%増)▷デリカ64億3500万円(3・1%増)
主な業態別商品売上高は、次の通り。カッコ内は前年比。
▷リージョナルチェーン243億9500万円(3・9%増)▷ナショナルチェーン102億3700万円(3・4%増)▷ドラッグストア65億5600万円(1・1%増)▷CVS40億5500万円(6・1%減)
フォーラムではその後、元日本ハムファイターズの斎藤佑樹氏(株式会社斎藤佑樹代表取締役)が、「キャリアの選択・リフレーミング(物事の枠組みを変え、違う視点から見ることを意味する心理学用語)」と題し、対談形式で約80分間講演した。