【新店の研究】「イオン旭川春光ショッピングセンター」~地域との共生を目指す新スタイル①

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 イオン北海道(本社・札幌市白石区)は2024年9月13日、「イオン旭川春光店」(旭川市春光町10番地)の建て替え新店「イオン旭川春光ショッピングセンター」(以下、イオン旭川春光SC)をグランドオープンさせた。旧店舗の閉店から2年7ヵ月、GMS(総合スーパー)からNSC(ネイバーフット型ショッピングセンター)に生まれ変わった。同社が、「イオン」を冠したNSCを手掛けるのは初めて。(写真は、オープニングセレモニーでテープカットする関係者)
(写真は、開店時の「イオン旭川春光SCの様子)

 L字型店舗の正面出入り口前で、8時15分から旭川太鼓連盟による和太鼓演奏から始まったオープンニングセレモニーには、地域住民らが1000人以上が集まった。和太鼓演奏の後、イオン北海道が発行するご当地電子マネー「あさひかわWAON」の贈呈式が行われ、青栁英樹社長から旭川市の菅野直行副市長に743万6234円の目録が贈呈された。その後、旭山動物園のゴマフアザラシをデザインに使った「あさひかわWAON」が、お披露目された。

(写真は、「あさひかわWAON」の寄付金贈呈式)
(写真は、旭山動物園のゴマフアザラシ限定デザイン「あさひかわWAON」お披露目式)

 続くテープカットを前に、青栁社長が挨拶。青栁社長は、「1981年、ニチイとして開業した店舗は、41年目の2022年2月末に建て替えのため一時閉店した。新店舗は、地域の皆さんの思いを繋ぐショッピングセンターにするため、シンボルだったイチョウの木を残し、その近くに広場をつくって地元の人が集える場を設けた。閉店してから2年7ヵ月、ようやく帰ってきました」と詰めかけた人たちに語りかけた。

 来賓として出席した菅野副市長は、「商業施設にとどまらない地域活動の拠点として、大きな役割を担っていたただけると心強く感じている。イオン旭川春光SCが、長く地域とともに歩み地域、市民に愛されるショッピングセンターになることを祈念したい」と今津寛介市長の挨拶文を代読した。テープカットには、福居秀雄・旭川市議会議長、新谷龍一郎・旭川商工会議所会頭、坂東元・旭山動物園統括園長のほかまちづくり推進協議会や地域住民代表ら10人が参加。WAONのキャラクター「ハッピーワオン」、旭川市のシンボルキャラクター「あさっぴー」も顔を見せた。

(写真は、「SHUNKO」のモニュメント)

 イオン旭川春光SCは、核店舗として「イオン旭川春光店」が入り、食料品売り場のほかヘルス&ビューティーケアの「BODY LABO」、フラワー&ガテーンの売り場も設けた。専門店には「串鳥」や「サザエ食品」、「壺屋」のほか釣り具とアウトドア用品、食品の「コルソ旭川」、「Can★do」など21店舗が入っている。敷地面積約7878坪(約2万6000㎡)、「イオン旭川春光店」の売り場面積は約866坪(約2850㎡)、専門店を含めた売り場面積全体は、約1818坪(約6000㎡)。

(写真は、「イオン旭川春光SC」の外観)

 青栁社長は、本サイトの取材に「旧春光店を建て替えるか、改装して利用するかは、かなり以前から議論してきた。前社長時代に建て替えることが決まり、地域の人たちとワークショップを重ねて地域連携や住民が集える場を設けることが決まった。近くには『イオンモール旭川西』があり、お客さまの使い分けが進むように、NSCの業態とした。イオンの新しい気持ち、考え方を取り入れた店舗になっている。これからの小売店舗は、地元との共生や地域を盛り上げる地域活動に繋げる機能がないと生き残れない」と語った。
※NSC…生鮮食品を中心としたスーパーマーケットを核店舗に、専門店、サービス店舗を備えた小商圏対応型のショッピングセンター。

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