閉店カウントダウン、札幌の「西友」全9店舗を一気に駆け巡り

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 西友(本社・東京都武蔵野市)が展開する北海道の9店舗の閉店まで、残り20日余り。イオン北海道(同・札幌市白石区)が、全店舗を承継するが、「西友」の名は、北海道に進出して以来51年で消える。全9店舗を一気に駆け巡った。(写真は、「西友厚別店」)

「西友厚別店」(札幌市厚別区)は、2000年12月に開業した。GMS(総合スーパー)としては、新札幌駅直結の「イオン新さっぽろ店」(以前は「ダイエー新さっぽろ店」)に対抗する郊外型店舗として注目された。2023年4月には、「ドン・キホーテ厚別店」が入り、集客力が高まっている。

(写真は、「西友清田店」)

「西友清田店」(札幌市清田区)は、国道36号沿いにあるGMS。外観と内部とも、いかにも昭和~平成前期を感じさせる空間。正面玄関右側には、アトリウムがあって、フードコートになっている。店舗北側の出入り口近くには、【第一種大規模小売店舗 設置者名エスシーシー 表示年月日 平成6年3月7日】の銘板が設置されている。

(写真は、「西友福住店」)

「西友福住店」(札幌市豊平区)は、地下鉄福住駅からやや離れた立地で、「イトーヨーカドー福住店」がオープンした1995年の5年後、2000年11月にオープン。GMSの括りではなく、スーパーマーケットの規模。正面だけでなく、裏手にも出入り口があり、近隣住民には使い勝手が良い。

(写真は、「西友平岸店」)

「西友平岸店」(同)は、平岸街道沿いにあるGMS。この店舗の正面出入り口左側には、やはりアトリウムがある。現在は、休憩スペースとして利用されている。こちらの店舗も、裏手側の駐車場から入ることができるようになっている。

(写真は、「西友元町北二十四条店」)

「西友元町北二十四条店」(札幌市東区)。この店舗は、2002年に起きた、牛肉の産地偽装食品の返金騒動で注目を集めたことでも知られる。1978年10月にオープンしたこのGMSは、「清田店」以上に昭和感が残っている。吹き抜けロビーや2階の渡り廊下のような橋は、GMSが輝いていた頃の残像とも言えそう。

(写真は、「西友西町店」)

「西友西町店」(札幌市西区)は、1992年に開業したGMS。こちらは国道側と山手側に段差がある構造で、国道側の1階から入って山の手側に出るには、エスカレーターまたは、階段を使わなければならない。こちらは、山の手が正面玄関で吹き抜け空間になっており、高い位置に掛けられた時計の周りにはリスが6匹並んでいる。

(写真は、「西友宮の沢店」)

「西友宮の沢店」(札幌市西区)は、地下鉄宮の沢駅延伸に伴って開業した、1999年にオープンした駅直結店舗。当初は、「マルイストア」の入居が検討されたが、西友に切り替わった。

(写真は、「西友手稲店」)

「西友手稲店」(札幌市手稲区)は、メルシャンの工場跡地に整備されたJR手稲駅直結の商業施設「メルシャン・プラース」の核店舗として、1996年4月に開業した。空中歩廊で手稲区役所にも行けるようになっている。巨大な建物の割には小さな時計が、西側外壁に掲げられており、「Mercian place」の文字が刻印されている。

(写真は、「西友旭ヶ丘店」)

「西友旭ヶ丘店」(札幌市中央区)は、中央区の伏見地区にあるGMS。隣接地には、1999年に「ホーマック旭ヶ丘店」と「ロイヤルホスト旭ヶ丘店」がオープン、商業集積が進んだ。正面出入り口付近の外壁下部には、【昭和51年10月 定礎 内山耕一】の銘石が、埋め込まれている。

 以上、札幌市内にある「西友」全9店舗を一気に駆け巡った。大型店もあれば、中型・小型の店舗もありさまざま。また、店舗の持つ雰囲気も同じ市内でも地域の環境によって違い、まさに9店舗9色だった。「厚別店」から順に近い店舗を回るのに要した時間は、約5時間だった。

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