スーパーマーケットの建設工事が進んでいる苫小牧市沼ノ端地区。既存店である「フードD365沼ノ端店」の軒先から見えているのは、「コープさっぽろぬまのはた店」の建設工事。2店舗は、JR沼ノ端駅から延びる沼ノ端北大通を挟んで向き合う構図。師走が訪れる頃、2店舗の対決が始まる。(写真は、「フードD365沼ノ端店」の軒先で行われている「コープさっぽろぬまのはた店」の建設工事)
「フードD365沼ノ端店」は、以前はJRの線路を隔てた海側に店舗があったが、2007年7月に、この場所に移転新設オープンした。人口が増えている、線路北側の沼ノ端地区唯一ともいっても良いスーパーだったが、2015年7月、近隣に「マックスバリュ沼ノ端店」がオープンして、2店舗の戦いになった。以降も人口増が続き、やがて2店舗の競争は均衡、共存体制になった。
そこに参入するのが、「コープさっぽろぬまのはた店」。苫小牧市には、「コープさっぽろ」の店舗が、現在は6店舗あるが、そのうち赤字の2店舗を2024年10月頃に閉店する。その代替店舗と位置付けているのが「ぬまのはた店」。閉店する2店舗は、市の西部地区にあるが、「ぬまのはた店」は東部地区。既存6店舗は、いずれも統合した旧道央市民生協の店舗だが、今回は、統合以降のコープさっぽろが、初めて市内に新設する店舗になる。
沼ノ端地区では、工場進出に伴い人口が増加しており、千歳市のラピダスや苫東のデータセンター稼働によって、さらに人口増が期待されている。コープさっぽろにとっては、沼ノ端地区への進出は必然だった。道内スーパー業界は、コープさっぽろ、イオン北海道、アークスがシェア8割近くを占める3極構造。「フードD」は、アークスグループではないが、アークス各社が入る共同仕入れ会社、CGCグループの一員で、アークスとはいわば親戚関係。「コープぬまのはた店」の出店に関して、アークスの横山清会長は、「フードD」を展開する豊月の豊岡憲治会長に「絶対に負けるな」とアドバイスをしているという。沼ノ端地区は、3極代理競争の要素も絡みながら、師走にゴングが鳴る。