セイコーマート600店舗に「道民のATM」、道銀がコンビニATM置き換え

金融

 北海道のセイコーマート約600店舗に、北海道銀行のATM(現金自動預け払い機)が設置される。「道民のATM」の名称で、既存のバンクタイム・コンビニATMを置き換える形で、2024年10月末までに設置を完了する。道銀やほくほくフィナンシャルグループの北陸銀行、道銀と提携している道内信用金庫や信用組合など20金融機関の利用手数料が、平日無料になる。(写真は、「道民のATM」設置の記者会見。左から道銀・兼間祐二頭取、セイコーマート・赤尾洋昭社長)
(写真は、セイコーマート約600店舗に設置される「道民のATM」)

 2024年7月23日、北海道銀行(本部・札幌市中央区)の兼間祐二頭取とセイコーマート(本社・同)の赤尾洋昭社長が、ほくほく札幌ビル4階で発表した。現在、道内のセイコーマート1093店舗(2024年6月末)のうち、約620店舗に、バンクタイムなどのコンビニATMが設置されている。バンクタイムのコンビニATMは、2024年度にサービスを終了するため、道銀とセイコーマートは、ATMの需要は当面続くとみて協議、セイコーマートの約600店舗について、コンビニATMを道銀のATMに置き換えることにした。

 設置するセイコーマートの店舗は、札幌市内268店舗、旭川市39店舗、函館市38店舗、苫小牧市34店舗、帯広市27店舗など。設置に関わる事業費は非公表。道銀は、銀行店舗や店舗外に約650台のATMを稼働させており、セイコーマート店舗に設置することで、ATM台数は、倍増の約1250台になる。設置するATMは、富士通フロンテック社(本社・東京都稲城市)製。銀行店舗のATMと機能面はほとんど同じで、サイズは半分程度。既存のバンクタイム・コンビニATMとほぼ同じ大きさ。

 従来のコンビニATMは、平日の日中(8時45分~18時)の引き出しに手数料110円が必要だが、「道民のATM」では、道銀の引き出しやほくほくFGの北陸銀行、さらに道銀とATM提携関係にある、信金・信組を含めた20金融機関の引き出しが無料になる。道銀は、ATM提携金融機関の拡大を模索する。道銀や提携金融機関以外の金融機関のカードによる引き出しは、既存のコンビニATMと同等の手数料で利用できる。

 道銀の兼間頭取は、「最寄りのセイコーマートに足を運んでいただき、買い物と一緒に銀行手続きをしていただけるようにしたい。通帳の記帳はできないが、Webサービスと合わせれば、ほぼすべてのサービスが地域の方々に提供できる。最終的には、セイコーマートに行けば、銀行の業務がすべてできるようにしたい」と話した。

 セイコーマートの赤尾社長は、「今回、道銀から声を掛けていただき、他のサービスを含めて検討した。利便性や展開場所、費用などの面から(道銀を)選択した。店舗の利便性を拡充して、道民の生活維持のための企業活動に邁進していきたい」と述べた。道銀のATMがほぼ倍増することについて、兼間頭取は「札幌市内は、今回の協業によってキャッシュポイントが大幅に拡大する。お客さまの利用ニーズを確認して、市内の店舗の在り方を将来にわたって検討したい」と、顧客ニーズに合わせて対応していく考えを示した。

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