「業務スーパー」北海道7店舗が休業、FC経営者の私的流用・自己破産画策に労組側が対抗措置

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 エス・インターナショナル(本社・横浜市中区)の子会社、ケヒコ(同・同)が北海道でFC(フランチャイズ)展開する「業務スーパー」7店舗が、2024年7月18日午後から休業している。ケヒコ従業員を含む全国一般東京労働組合エス・インターナショナル支部が、ストライキを行っているもので、6月末の時限ストに続くもの。今回は、無期限のストで再開時期は未定。(写真は、無期限ストに入っている「業務スーパーすすきの狸小路店」)

 エス・インターナショナルは、子会社ケヒコを設立して、2013年8月に「業務スーパーすすきの狸小路店」(札幌市中央区)をオープン。以降、苫小牧市や室蘭市、岩見沢市、滝川市、旭川市に出店、現在は道内7店舗を展開する。ケヒコの設立当初、エス・インターナショナルは京濱港運(本社・横浜市神奈川区)グループだったが、3年ほど前に経営者の資産相続の関係で資本関係を解消している。

 それ以降、エス・インターナショナルやケヒコの従業員は労組を結成、両社の代表取締役を務める人物による会社資産の流用や、放漫経営による労働条件の悪化について交渉を行ってきた。しかし、労組側の要求に経営側は真摯な対応を行わず、6月頃には、自己破産申請の準備に入った。労組側は自主再建を要求したが、会社側は拒否。このため、6月29日は「業務スーパー」6店舗で時限ストを行った。

 しかし、事態の進展がないため、労組側は7月18日13時から無期限ストに突入した。今回は全7店舗がストに入っており、「すすきの狸小路店」も扉が閉められ、店頭には「ストライキ決行中」の貼り紙が掲げられている。ケヒコの従業員は約130人。ケヒコの労組側担当者は、「破産手続きの開始決定が出ると従業員は全員解雇されてしまう。本業は黒字なので自主再建は可能」と話している。
 道内の業務スーパーは、7月18日にオープンした「北郷店」(札幌市白石区)を含め、35店舗。G-7スーパーマート(本社・神戸市須磨区)など別のFC事業者が展開している「業務スーパー」は、通常通り営業している。

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