コープさっぽろがPB製造委託で下請法違反、2537万円返金

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 コープさっぽろ(本部・札幌市西区)は2024年5月22日、公正取引委員会から下請代金支払遅延等防止法(下請法)の規定違反について勧告を受けた。下請業者であるPB(プライベートブランド)製造委託業者に支払う代金から、月次リベート(割戻金)やシステム使用料を減額して支払っていたことが、下請法違反にあたるとされた。違反総額は2537万円。コープさっぽろは、既に全額を返還している。(写真は、コープさっぽろ本部)

 公取委の勧告は、減額を行わないことなどを理事会の決議により確認することや、法務担当者による下請法の遵守状況について定期的に監査するといった遵法管理体制の整備について必要な措置を講ずることーーというもの。コープさっぽろが、PB製造を委託している事業者のうち、資本金3億円以下の事業者が下請に該当し、その事業者27社に製造委託代金の支払いを減額していたことが、下請法違反にあたるとされた。公取委の調査は2022年7月から始まり、2021年8月から2024年4月までの減額総額2537万4079円(月次リベート約2322万円=18社、システム利用料約127万円=8社、協賛金年契リベート約47万円=1社、達成割戻金約35万円=1社、支払通知作成料約7万円=19社)が違反総額と認定された。

 該当するPB製造委託業者は、グロサリー系食品を製造している業者が中心。PB製造委託業者のうち、下請にあたるのは約1割という。コープさっぽろは、2012年6月にも公取委から、月次リベートと協賛金年契リベートを減額していたことで下請法違反の勧告を受けており、今回は2度目となる。
 勧告を受けて会見したコープさっぽろの米内徹常務理事管理本部長は、「2012年にも勧告を受けており、大変重く受け止めている。前回の勧告を受けて、役職員の教育をするなどしてきたが、再発防止の仕組みが個人の注意義務に留まっていた。人に頼った仕組みが問題の本質だった」としたうえで、「今後は、下請に該当する事業者には通常の商取引上の口座とPB製造委託の口座を明確に分け、PB用口座については、法律に抵触することを受け付けないガードを掛ける。6月末から7月末までにこのシステムを導入したい」と話した。なお、PB製造業者のうち、資本金3億円以上の事業者は下請にはあたらず、同様の月次リベートやシステム利用料を減額しても、違反にはならない。

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