サッポロドラッグストアー(本社・札幌市東区)は、北後志広域5町村(余市町・積丹町・古平町・仁木町・赤井川村)と連携、持続可能な広域防災モデル(備蓄品)の構築に向けて「ランニングストック方式」の実証実験を2024年3月から開始する。この実証実験は、サツドラホールディングス(同・同)ほかが、2022年3月に締結した「北後志広域防災連携に係る協定」に基づくもの。期間は6年間。(画像は、ランニングストック方式のイメージ図)
(写真は、現在の余市町防災備蓄倉庫の内部=サツドラHD提供)
「ランニングストック方式」による防災備蓄とは、自治体が購入した備蓄品を自らの備蓄倉庫に保管することなく、事業者の物流拠点に寄託し、事業者は、それを販売用在庫としながら流通させて管理・保管するもの。災害時に、自治体の返還要求により払い出す。
地方自治体の防災備蓄品に関する大きな課題は、財源や保管場所の不足、備蓄基準が整備されていないことなどに起因する、備蓄品の不足が挙げられる。また、有事の際の備えという備蓄品の特性上、消費期限が到来して廃棄など無駄が発生してしまう面もある。今回の「ランニングストック方式」による実証実験では、備蓄品をサッポロドラッグストアーの店舗で販売用在庫として活用していくことで、備蓄品の廃棄ロス削減、低価格での備蓄品購入、保管場所の確保など、さまざまな課題解決に繋げることを目的にしている。
「ランニングストック方式」の実証実験は、道内で初めての取り組み。地方自治体と民間企業が、従来の物資協定に関する連携の枠を超え、新たに構築する広域防災モデルと言えるもの。実証実験を通して、オペレーションやビジネスモデルの検証・精査・ブラッシュアップを行い、地方自治体と民間企業の双方に持続可能な防災モデルを確立する。このことによって、サッポロドラッグストアーは、地域のインフラとしての役割を果たすことができるようにする。