アークス(本社・札幌市)の横山清社長は26日、札幌証券取引所が開催した個人投資家向け会社説明会でダイエーを子会社化するイオンについて、「2社の食品売上げを合算すると約3兆円になるが、アークスの今期は約4600億円の売上げだからそれほどの衝撃はない」と脅威を感じていないことを強調した。説明会には個人投資家約120人が集まり、会場となった札証2階は満杯状態。株高を背景に投資熱が高まっていることを裏付けるもので、横山社長の口調にも一段と力が入っていた。(札証で講演するアークス横山清社長=写真左と満杯になった会場=同右)
講演で横山社長が真っ先に触れたのがイオンによるダイエー子会社化。「2社の売上げを足すと6兆円を超え、大変大きな規模だ。食料品はそのうちの半分と見て3兆円。30数年前に当社の前身であるダイマルスーパーが年商50億円を超えたころ、ダイエーは1兆吉兆と1兆円を超えたことをアピールしていたが、その差は200倍でとんでもない差があった。しかし、今期のアークスは年商4600億円を見込んでおり3兆円と聞いてもそれほどの衝撃はない」と述べ、イオンは脅威ではないと強調した。
以下、横山社長の講演内容を抜粋する。
「世界売上げ30兆円のウォルマートだって、そばに店がなければ影響を受けない。アークスの目標は、それぞれ地域で30%のシェアを持つこと。地域で30%のシェアを取れば仕入れなど様々な面で有利になる。シェア獲得が一番大事だ」
「2013年2月期の各地区のシェアは、北海道が前期比0・3ポイントアップの27・3%、青森県は同0・9ポイントアップの28・0%、岩手県は同1%アップの28・5%。30%を目標にあらゆる努力をしている」
「価格競争では釧路が厳しい。アークスグループの福原は十勝と釧路・根室で半々の売上げだが、釧路はコープさっぽろやトライアル、ザ・ビッグの進出で2年前に食品スーパーの売場面積が3割も増えた。人口減の釧路はまさに価格戦争。福原の利益は一時半分になったがこの1年半で苦労して戻した」
「札幌市内も価格競争で大変だが、ラルズ、東光ストアが徹底抗戦している」
「旭川市内ではふじと道北ラルズが昨年合併し道北アークスとなったが、何とか勝ち抜いている」
「アークスグループに是非入りたいという話があるが、ただ大きくなるだけではいけない。不遜な言い方かも知れないが今の時点で勝ち組としか手を組まない考えは変わらない」
アークスの株価は、3月29日に2163円と最高値を更新、26日の終値は1934円で前日よりも17円上昇した。