ツルハの非上場化検討は良薬か劇薬か

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 東京証券取引所プライム上場のツルハホールディングス(本社・札幌市東区)が、非上場化を選択肢の一つとして検討しているという。モノ言うファンドに悩まされた前回の株主総会を教訓に、非上場化で経営の主導権を確保しようという狙いのようだ。(写真、ツルハホールディングス本社)

 ツルハHDは、前回の株主総会で香港ファンド、オアシスマネジメントの会長職廃止や社外取締役候補などの株主提案を筆頭株主のイオンが、賛成せずに乗り切った。イオンは、オアシス提案に反対せざるを得なかった。

 そんな中で噴き出してきた非上場化の検討。前回の株主総会に懲りたということなのか、あるいは以前から検討してきたことなのかははっきりしないが、唐突感は否めない。ツルハとイオンの関係は微妙だ。イオンはツルハ株式を、追加取得したいようだが、ツルハ側には忌避感が根強い。
 
 イオンが非上場化を望むかどうかは、微妙だろう。今後の動き次第では、イオンがモノ言う株主になりかねず、ドラッグストア再編が想定以上のスピードで進むかもしれない。ともあれ、一度出てしまった「非上場化の検討」を進めるにも、撤回するにも難路になるのは間違いない。その末の良薬か、劇薬か、塀の上を歩くが如くだろう。ただ、金融筋との話はすでについているとみられ、イオンには、それを止めるだけの資金力はないという見方も。
 
 非上場化で、創業者一族の持株比率を現在の1割未満から3割ほどに高めて、再上場というシナリオも囁かれている。

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