コープさっぽろ(本部・札幌市西区)は、廃棄されるお米をプラスチックに混ぜた「ライスレジン」を使ったレジ袋を全店で導入する。手始めに2023年5月30日から、「ほんどおり店」からスタートさせた。全国のスーパーマーケット(SM)で、「ライスレジン」利用のレジ袋を採用するのは、コープさっぽろが初めて。(写真は、「ライスレジン」を使ったレジ袋導入の記者会見。左から、ニトリパブリック・野中毅執行役員営業部ゼネラルマネジャー、コープさっぽろ・大見英明理事長、バイオマスレジン南魚沼・奥田真司社長執行役員)

「ライスレジン」は、お米とテクノロジーの融合で社会課題の解決を進めているバイオマスレジンホールディングス(本社・東京都千代田区)が開発した、お米を使ったバイオマスプラスチック。古米や破砕米、精米時に発生する屑米などを利用、ポリプロピレンやポリエチレンなどの石油系プラスチックと混合してレジン化したもの。お米の配合比率は70%まで可能だが、今回のレジ袋向けレジンのお米の配合比率は36%。

 バイオマスレジンHDの子会社、バイオマスレジン南魚沼(新潟県南魚沼市)が製造する「ライスレジン」をニトリパブリック(本社・札幌市北区)が、海外の提携工場でレジ袋に量産加工してコープさっぽろに納入する。「ライスレジン」は湿度の影響が大きいため、ニトリパブリックは製造工程で湿度管理を徹底、量産化にこぎつけた。

 コープさっぽろは、2008年に全国のSMに先駆けてレジ袋有料化を実施、現在の組合員のマイバック比率は9割。残り1割はレジ袋を使用(年間881万枚)しているが、そのうちの25%はこちらもニトリパブリックが納入している、ブラジル産サトウキビ残渣や石灰石由来のレジ袋を使用している。コープさっぽろでは、2023年中に「ライスレジン」を使ったレジ袋に全面的に切り替える意向。価格は1袋4円で今までと同じ。

 バイオマスレジンHDは、JA東川と協力して「ライスレジン」用のお米を生産する取り組みを進めており、近いうちに北海道米を利用した「ライスレジン」を生産、コープさっぽろ向けレジ袋用原料として、ニトリパブリックに供給する考え。会見で、コープさっぽろの大見英明理事長は「レジ袋の消費量は、2008年以前と比べて10分の1に減っているが、『ライスレジン』のレジ袋によってさらにプラスチック消費量を減らしていく。この動きが全国で広がることを期待したい」と話していた。



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