２０１２年７～１２月の道内食品スーパー「新店」、「閉店」、「リニューアル」は合計３１件。１～６月の１９件から大幅増　

　２０１２年下半期の道内食品スーパーの新店、閉店、リニューアルの店舗件数は合計３１件と上半期の１９件に比べて多さが目立った。食品スーパーの１年間の売上げは上半期と下半期が４対６とも言われているように、下半期が多い。最も売上げが伸びるのは１２月で、各社ともこの書き入れ時に照準を絞った店舗戦略を取るため下半期にリニューアルなど店舗活性化投資が増えてくるため。７～１２月の各月ごとの動きを見ていこう。
　
　７月はマックスバリュ北海道が１４日に北３２条店（札幌市北区）をリニューアル、食べきりパックや小容量ペットボトルなどシニア対応商品の品揃え強化を図った。２７日には、北海市場が手稲店（同市手稲区）をリニューアル、３１日にはミニスーパー「ＳＨＯＰＳ」（同市豊平区中の島）が閉店した。ＳＨＯＰＳは、小型食品ストアの協同仕入れ会社エイチジーシーに加盟していたが、エイチジーシーが全日本食品へ事業継承されることもあって事業継続を断念した。
　
　８月に入ると４日にマックスバリュ北海道が宮前通店（旭川市）を激安スーパーの「ザ・ビッグ」に転換、旭川にこの業態で初進出した。１１日には７月末に閉店したＳＨＯＰＳ跡に居抜き出店で初の都心型小型食品スーパー「マックスバリュエクスプレス」をオープン。ＳＨＯＰＳ従業員を引き継ぎ、３層で約８００㎡の小型店展開に乗り出した。
　
　２０日、コープさっぽろは志賀綜合食料品店から引き継いだコープさっぽろしが輪西店を閉店、２２日北雄ラッキーが西野２号店（札幌市西区）の売場レイアウト変更のリニューアル、以後２４日卸売スーパーの北４２条店（同市東区）、２５日ダイイチ八軒店（同市西区）のリニューアルが続いた。ダイイチの八軒店は事務所スペースや従業員食堂を取り払って売場面積を広げ、通路幅も広くして買い回り性を高めたもので札幌の基幹店としてさらに磨きをかけた。
　
　２９日はエイチジーシーの実質破綻による影響もあって栗山町のスーパー寿が自己破産。栗山町や札幌市の４店舗が閉店になった。３１日にはマックスバリュ北海道のジョイ倶知安店（倶知安町）が賃貸期間の契約満了で閉店になっている。
　
　９月は２日にマックスバリュ北海道の永山店（旭川市）が閉店、１５日に道北アークスがスーパーチェーンふじ・アシルマート奈井江店（奈井江町）をチューオー奈井江店跡にオープンした。２８日、ジェイ・アール生鮮市場が岩見沢店（岩見沢市）を１ヵ月休業して大規模リニューアル。同社の成功モデルである新川店のフォーマットを導入した。３０日にはホクレン商事のハッピー１００千代田店（旭川市）が閉店、また根室市のイオン北海道根室店の食品売場が激安業態の「買って実感！毎日がお得な店」にリニューアルされた。この月には、全日食が江別市朝日町にサンウエルキョーエー店跡を引き継いで直営店舗を出店している。
　
　１０月も慌ただしく出店、リニューアルが続く。５日北雄ラッキー菊水元町店（札幌市白石区）のリニューアル、１０日と１７日にはトライアルカンパニーが苫小牧大成町と札幌市手稲区にそれぞれ大成店、富丘店を居抜き出店した。トライアルはカウボーイの大型店跡への出店から小型店シフトを強めておりこの２店は３月の大麻店（江別市）に続くもの。
　
　２０日はマックスバリュ北海道が東雁来店（札幌市東区）を激安業態「ザ・ビッグ」転換、２５日ラルズがコープさっぽろしが輪西店の入っていた「ぷらっと・てついち」商業施設の核テナントとして「ホームストア輪西店」（室蘭市）を移転オープン、さらに２６日道北アークスによるビッグハウス士別店（士別市）リニューアル、２７日東光ストアが真栄店（札幌市清田区）をリニューアルした。同店のテナントだった文教堂が撤退したことを受けて食品売場を２５０坪増床、売上げ増を狙う体制を整えた。２８日にはマックスバリュ北海道がジョイ滝川西町店）（滝川市）を閉店。この店舗は、元は滝川本社の食品スーパー「りょーゆー」（自己破産）の店舗でマックスバリュ北海道と合併する以前にジョイが引き継いでいた店舗だった。
　なお１０月にはエイチジーシーの直営だったスーパーエース４店舗が全日食の直営に代わっている。
　
　１１月は４店舗の動きがあった。１日根室市の根室西浜ショッピングセンターにホクレンショップ根室店が新店オープン、８日はマックスバリュ北海道が２年半ぶりの新店となる滝川本町店（滝川市）をオープン、１６日はラルズがビックハウスノース（札幌市北区）をスーパーアークスノースにリニューアル、同日コープさっぽろが函館市内に「いしかわ店」を新店オープンした。同店はコープさっぽろが進める環境に配慮した二酸化炭素排出量の少ないエコ店舗。エコ店舗は道南初で既存の店舗と合わせてコープさっぽろは函館市内９店舗を展開することになった。
　
　１２月は歳末商戦で食品スーパーが最も活気づく月で、各社とも収益を左右する正念場の月としているため閉店、新店、リニューアルの動きはなかった。