商業店舗が集積するゾーンへの出店ではなく、郊外に単独店舗を出店ーー全国でホームセンターを展開するコメリ(本社・新潟市南区)は、深川市の水田地帯で「ポツンと」出店を目指して店舗建設を始めた。(写真は、仮称「コメリハードグリーン深川店」の建設場所)
コメリが建設を始めたのは、中型規模の「コメリハード&グリーン深川店」(仮称)。出店場所の開西町1丁目53-2は、深川の中心部から道道47号線(深川雨竜線)を西に3㎞ほど離れたところ。民家が途切れる西端に当たり、まさに水田地帯との際の場所。商業店舗の出店場所には、ふさわしくないようにも見える。
市内にある商業施設の多くは、中心部に近く、複数の店舗が集積してワンストップショッピングのニーズに応えられるようにしている。同業のホームセンターで言えば、「DCMホーマック深川店」(5条19-10)は、「マックスバリュ深川店」と、「DCMサンワ深川店」(北光町3丁目6-1)は、「スーパーアークス深川店」や「ファッションセンターしまむら深川店」などと集積している。
後発のコメリは、こうした出店戦略をとらず、郊外に、しかも単独で「ポツンと」出店を進める。店舗の設計は、T&N北海道設計事務所(札幌市東区)、施工はエスデー建設(旭川市)。開発区域は約3636坪(1万2000㎡)と市の都市計画区域内で約909坪(3000㎡)以上の土地造成となるため、開発行為許可を受け建設を進めている。店舗面積約1182坪(3903㎡)、駐車場の収容台数は62台、オープン予定日は2022年11月9日。
後発ゆえの逆張り出店と言えそうだが、店舗が集積していないため、“ついで買い”効果は薄い。“目的買い”の来店客をどう呼び込むか、コメリがこれまでに北海道で出店してきた24店舗の蓄積が試されることになりそうだ。かつてイオンが巨大ショッピングセンターを田んぼの中に出店するケースがあったが、時代とともに商業集積が進んだ。時代を経て再び「ポツンと」出店が再来しそうだ。