北雄ラッキー(本社・札幌市手稲区)は、3月9日(水)から「ラッキー生鮮・デリカセンター」(小樽市銭函3丁目193番地1)内に設置した精肉加工棟の稼働を始める。同社の「桑園低温センター」(同市中央区北12条西19丁目36)内にあった同施設を移転拡張したもので、生産能力は2・5倍になる。(写真は、3月9日から稼働を始める「精肉加工棟」)
同社は昨年11月に生鮮・デリカセンターを大幅に増強、今回の精肉加工棟は、増強によって移設した惣菜棟跡を再利用する形で改装した。2階建ての1階部分で延べ床面積は約480坪(1588・51㎡)。温度管理を厳密にするため断熱仕様にしたほか、新たな設備の導入で約2億9000万円を投じた。牛豚作業室や鶏肉作業室、包装値付け室などに分かれ、スライサーや切り落とし用の機械、ミンチ製造機などを設置、大半を桑園低温センターから移設した。
作業台は清掃しやすいように薄くして、斜めに立てかけられるように工夫した。空調には、ソフトダクトを使って冷風が従業員に直接当たらないようにしたほか、肉の乾燥を防ぐ効果も持たせた。24時間稼働させ、従業員数は67人(うちベトナム人技能実習生は14人)で対応する。初年度の供給計画は年間530万パック、桑園低温センターの2・5倍になる。
(写真は、「牛豚作業室」)
(写真は、「包装値付け機」)
精肉を各店舗へ供給するセンター比率は、これまで35%程度だったが、新しい精肉加工棟の稼働によって90%まで高まる。これによって、店舗のバックヤードでの生産を減らせるため、人手不足にも対応できるようになる。なお、昨年増強した生鮮・デリカ部門と今回の精肉部門を合わせたセンター供給比率は、金額ベースで76%から82%に高まる。
桐生宇優社長は、「精肉加工等の移転拡張によって当社の食品加工は、ハード面がほぼでき上がった。これらを活用して店舗の生産性を高めるとともに商品開発力も強め、競争力のあるスーパーにしていく。バックヤード面積が小さくて、低コストでの出店が可能になるため都心部への出店も進めたい」と話した。