ホームセンターのカインズ(本社・埼玉県本庄市)は、2022年3月31日付で、東急ハンズ(同・東京都新宿区)の全株を取得、子会社化する。オリジナル商品の開発やデジタル基盤の活用などでシナジー効果を高め、「新たなDIY文化の創造」を実現する。株式取得金額は非公表。(写真は、さっぽろ東急百貨店8階の東急ハンズ札幌店)

 カインズは、DIYを新たなくらしの文化として根付かせていくことを使命として、様々な商品やサービスを提供している。2019年からはDIYをライフスタイルにすることを目指した「DIYer100万人プロジェクト」にも取り組んできた。一方、東急ハンズは2009年にブランドスローガンとして「ここは、ヒント・マーケット」を制定、店舗をモノ・コト・ヒトの出合いの場とし、創りたいヒトに楽しさや驚き、発見を提供する売り場づくりを継続している。

 日常のくらし全般の商品展開で地方や郊外に店舗が多いカインズと、趣味、ホビークラフトを展開し、都市部に店舗が多い東急ハンズがグループ化することで、DIY文化の裾野を広げ、自分らしい暮らしの実現に向けて様々なアプローチを繰り広げる考え。
 両社は、カインズが強みとして持つSPA(製造小売り)の開発力やデジタル基盤を最大限活用。東急ハンズが磨き上げてきた発想力や商品・生活提案力、目利き力などをかけ合わせることでシナジー効果を創出していく。子会社化しても同質化を目指さず、両社の価値や個性の磨き上げに重点を置く。

 カインズは、全国に227店舗を展開し、2021年2月末の売上高は約4854億円。東急ハンズは全国に「東急ハンズ」63店舗(FC=フランチャイズ9店舗、海外15店舗含む)、「ハンズ ビー」20店舗(FC2店舗含む)、「プラグス マーケット」3店舗(FC店舗)を展開、2021年3月末の売上高は約619億円。道内では、アークス(本社・札幌市中央区)グループのエルディ(同・同)がカインズのFC店舗として、「花川店」(石狩市)、「星置店」(札幌市手稲区)、「北広島店」(北広島市)の3店舗を展開、東急ハンズは「札幌店」(札幌市中央区、さっぽろ東急百貨店8~9階)を出店している。



14人の方がこの記事に「いいんでない!」と言っています。