函館を本拠に、道内で29店舗のホームセンター「イエローグローブ」、「ジャンボイエロー」を展開するテーオーリテイリング(本社・函館市)は15日、DCMホールディングス(同・東京都品川区)の100%子会社DCM(同・同)と資本業務提携を結んだ。仕入れや物流の協業化を図り、DCMのPB(プライベートブランド)商品を導入、店舗運営ノウハウを取り入れるなどして競争力を高める。道内で急速に店舗網を広げているコメリ(本社・新潟市南区)対策とも言えそうだ。(黄色いハンマーが目印の「イエローグローブ」=写真)
16日付で、DCMがテーオーリテイリングの持ち株会社、テーオーホールディングスから同社株18・99%(380株)を4億7500万円で取得する。テーオーリテイリングは、1982年11月に旧テーオー小笠原(現テーオーホールディングス=本社・函館市)が函館市港町に出店したホームセンター「イエローグローブ港北大前店」(現「ジャンボイエロー港店」)が原点。その後、2017年6月にテーオーホールディングスの会社分割で設立された。
現在は、道南に13店舗、道央に10店舗、道東に6店舗の計29店舗を展開。21年5月期の売上高は、134億3800万円、営業利益は2億6400万円で、20年5月期比は0・3%の増収、173・2%の大幅営業増益だった。
DCMは、21年6月30日現在で全国7都道府県に666店舗を展開、北海道では釧路発祥の「ホーマック」を源流に159店舗(「DCMホーマック」、「DCMサンワ」、「ホーマックニコット」、「ホダカ」の合計)を出店している。今回の資本業務提携によって、両社は①仕入れ及び物流体制に関する協業②販売促進活動に関する協業③店舗開発及び運営に関する協業④役員及び従業員の受け入れーーを行っていく。「イエローグローブ」は、渡島・桧山管内や後志・胆振・日高・空知管内、オホーツク・上川・十勝管内に店舗を有し、地方展開のノウハウを持つ。大規模店の「DCMホーマック」よりも地方小型店展開をしている「ホーマックニコット」と相乗効果が期待できそうだ。
今回の資本業務提携は、急速に店舗を増やしているコメリの「コメリパワー」、「コメリハード&グリーン」の対抗策とも言えそう。北海道発でチェーン展開をしているホームセンターは、ほぼDCMグループに入った。