全日食がHGCを吸収合併し「スーパーエース」4店舗は直営化、八社会PBの『Vマーク商品』は引き継がず

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 苦境が伝えられていたHGC(札幌市)が、全日本食品(東京都)に吸収合併されることが本決まりになった。既に8月初旬にHGC加盟店には全日食継承の説明会が開催されていたが、全日食に加盟する店舗やHGC直営のスーパーエースを全日直が直営することがまとまり9月1日から新体制がスタートする。これに伴って、首都圏の私鉄系食品スーパーのPB(プライベートブランド)である『Vマーク商品』は道内の店頭から姿を消す。(写真は、全日食が引き継ぐスーパーエース美香保店、HGC本部の銘板)
 
 HGCは道内の中小スーパーが集まって1979年に設立した商品共同仕入れ会社。最盛期には190店が加盟していたが、北雄ラッキーが同じ共同仕入れ会社のシジシー北海道に移ったほか、2006年には滝川市のりょーゆーやその傘下にあった札幌市の松下(チェーン名スーパーエース)が倒産。HGCは松下の4店舗を直営することになって一時は経営も上向き、北広島市にある自前の物流センターとともに金融機関の信用度も高かった。
 
 しかし、道内食品スーパー業界は、いわゆる3強(アークスグループ、コープさっぽろグループ、イオングループ)による価格競争が激化、HGCに加盟している単独店のミニスーパーなどはこうした競争への対応力が弱く、11年9月にはサンウェル(江別市)がHGCを脱退して先行する形で全日食に加盟、またSHOPS(札幌市)は今年入って脱退、廃業するなど経営継続が困難な状況だった。昨年後半からは、HGCとの取引は金融機関の保証が必要という状態になり、その保証期間も6月末で切れたため、身売りか廃業の選択を迫られていた。
 
 全日食は、HGC加盟店のうち15社18店舗(7月末では27社39店舗)を引継ぎ、スーパーエース4店舗の直営にも乗り出す。直営店舗や本部の従業員、パート約260人も全員引き継ぐ。
 
 全日食の道内加盟店は7月末で103社123店舗。有力加盟店には卸売スーパー津司などがある。HGCは9月末で営業を終了し、清算される。
 
 HGCは、首都圏の私鉄系スーパーの集まりである八社会のPB『Vマーク商品』を扱っていたが、札幌東急ストアがアークスグループに入って以降は、HGC加盟店やスーパーエースのみでしか購入できなくなっていた。全日食はVマーク商品の取り扱いを継続しないため、8月末でVマーク商品は道内から姿を消すことになる。

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