商業施設の企画開発、設計、運営などを手掛けるストアプロジェクト(本社・札幌市中央区)の間宮明雄代表取締役が病気で死去、24日に札幌市中央区の中央霊堂で葬儀が行われた。享年74歳。スーパーやドラッグストアなどの店舗設計を数多く手掛け、北海道の商業の発展を裏方で支えた続けた生涯だった。(写真は、24日に行われたストアプロジェクト間宮明雄代表取締役の葬儀)

 間宮氏は、数年前に病気療養のため入院。治療が奏功して今年に入って一時は退院するなど元気な姿を見せていたが、10月20日死去。通夜、葬儀は社葬として行われ葬儀会場には各業界からの供花が並んだ。新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、通夜と葬儀は随時焼香のみで、会葬者は間宮氏の遺影写真に手を合わせ、最期のお別れをした。

 狸小路商店街の近くで生まれた札幌っ子で、札幌工業高校を卒業後に岡村製作所(現オカムラ)入社。当時は食品スーパーが増え始めた頃で、岡村製作所もスーパー向けの什器を納めるなどしていたが、昭和51年、間宮氏は30歳で退社、1人で起業した。
 起業後、岡村製作所時代に知り合った当時の定鉄商事(札幌東急ストアを経て現在は東光ストア)の常務から声を掛けられ、「北栄店」の建設が関わって以降、スーパーの企画開発、設計が事業の柱になった。

 起業してから2年後には、事業は軌道に乗り、会社は4人所帯に。その頃から米国に出張、最新のスーパーなどを視察して北海道の店舗設計に生かす努力を欠かさなかった。また、チェーンストアを学ぶため故渥美俊一氏が主宰していたペガサスクラブに入会、勉強を怠らなかった。スーパーやドラッグストアが増え続ける中で、ストアプロジェクトに欠かせない裏方役として存在感を増していった。

 平成の後半には大規模なデベロッパー事業にも参入。三菱商事と組んで平成20年にオープンさせた北広島市大曲幸町の「インターヴィレッジ大曲」はその代表例。また、4年前には江別市のレンガ工場だった「旧ヒダ工場」を観光商業施設「EBRI」(エブリ)にリノベーション、市の指定管理者として自ら施設運営にも乗り出している。

 大の神輿(みこし)好きで、神輿を担ぐ北海睦(むつみ)の4代目会長を10年数前から務めていた。24日の葬儀では出棺の際に、北海睦の担ぎ手たちが棺を持ち上げて運び、故人の願いを叶えた。また、会葬者には故人の大好物だったアイスの「あずきバー」が配られた。これも故人の願いだったという。



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