マックスバリュ北海道は12日、札幌市豊平区豊平4条9丁目の「札幌フードセンター豊平店」をディスカウント業態の「ザ・ビッグ豊平店」に転換しオープンした。同社が手がける「ザ・ビッグ」店舗としては最大面積となる2025㎡で初めて衣料品売場も取り込んだ。ツルハ、ダイソー、メディカルなど専門店18店舗も建物内に集積しており、ワンストップショッピングの利便性も高めた。また、これまで賃借していた店舗の土地建物を数億円で取得、同社の基幹店舗として攻勢をかける。(写真は、「ザ・ビッグ」オープン日で混みあう店内と衣料品売場など=12日撮影)
「ザ・ビッグ」は、生鮮食品や日常の生活必需品などを毎日低価格で販売するディスウカントの業態。マックスバリュ北海道は、2年前から赤字店舗を中心に、「ザ・ビッグ」化を進めて来店客を増やし、利益の取れる店作りを試行してきた。
その結果、「ザ・ビッグ」店舗の採算が向上し利益に結びついていることから、業態モデルとして確立できたと判断、採算が悪化している既存店舗の「ザ・ビッグ」化を積極的に進めることになった。
「札幌フードセンター豊平店」は、20年前にオープンしたが、隣接する旧東急ストア(現東光ストア)豊平店との競争が激しく、同一建物内にテナント出店していたホームセンターのビバホームが撤退するなど、苦戦が続いていた。
土地建物を所有するマルハニチロホールディングスの関連会社で清算会社の泰東製鋼とは20年間の賃借期間が更新時期を迎えていたが、泰東製鋼は売却意向だったこともあり、マックスバリュ北海道は数億円で土地建物を取得、「ザ・ビッグ」に転換することで巻き返しを図ることにした。
建物全体の店舗面積は5184㎡で、「ザ・ビッグ」の面積は2025㎡。札幌フードセンター豊平店のころから扱っていた衣料品売場をそのまま残し、初の衣料品売場併設の「ザ・ビッグ」店舗になった。
これまで、2階部分の駐車場は一部しか使用していなかったが全面利用できるようにしたため、駐車台数は地上部分を含めて500台と大幅に増えている。
「店舗周辺の商圏人口は多く、週末に郊外に流出するお客様をこの店舗に取り込みたい。商圏の足元を固めることが『ザ・ビッグ』にした狙い」(広報)という。
店舗に隣接した東光ストア豊平店やスーパーアークス菊水店では、「ザ・ビッグ豊平店」のオープンを見越して、前日から特売価格で買い物客を誘引しており、かつての“豊平戦争”は再燃の兆しが出ている。マックスバリュ北海道の山尾啓一社長は、「競合は激しくなるが、『ザ・ビッグ』のスタイルをお客様に地道に訴えていきたい」と語っている。