POS情報開示システムで法廷闘争、「ポイントプラスVSコープさっぽろ」札幌地裁で第一回口頭弁論

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 食品スーパーのPOS情報をインターネット上で有償で見られるシステムを開発したポイントプラス(札幌、加我稔社長)が、このシステムをコープさっぽろと子会社のデュアルカナムに不当に奪われたとして開発費と営業権合計4億9200万円の損害賠償を求めた訴訟の第一回口頭弁論が23日に札幌地裁で行われた。コープ側は請求棄却を求めて争う姿勢を示した。この民事訴訟は著作物に関わるため、次回以降は知的財産権を専門に扱う東京地裁に移送される。(写真は、ポイントプラスの入っているビルの会社案内板)
 
 食品スーパーのPOS情報の開示は、コープさっぽろが全国に先駆けて約5年前に実施。ポイント社は、コープさっぽろ側からPOS情報の提供を受けて、その情報をネット上で有償閲覧できるシステムを開発。
 
 POS情報提供は、その後コープさっぽろ以外にコープこうべやライフコーポレーション、タイヨー、サンエーなどに広がり、ポイント社の顧客は約1400社に及んでいた。
 
 食品スーパーのPOS情報は、商品納入業者などが閲覧することによって、売れ筋商品の把握や商品政策に反映することができる。POS情報開示システムによってポイント社の年商は2億円にのぼっていた。
 
 POS情報開示システムには元データが必要となるが、ポイント社はコープさっぽろから元データの独占使用権を得てシステムを完成させたという。
 
 昨年9月にコープさっぽろ側の求めに応じてポイント社のシステムをコープ子会社のデュアルカナムに移し替え、今後はデュアルカナムが主体的にPOS情報開示サービスを行っていくことになり、その際コープさっぽろ以外の既存顧客約1200社についてはポイント社が引き続き担当していく取り決めだった。
 
 その後、デュアルカナムはシステムを取り扱う代理店として外資系の電子商談システム会社、アジェントリクスと契約。ポイント社の既存顧客も同社に移し替えるとともに、コープ側とポイント社の契約を今年3月末で解消すると通告してきたという。
 
 ポイント社はこれによって営業権と知的財産権が侵害されたとしてシステム開発費などを含めた約4億9200万円の損害賠償を求めて昨年12月7日に提訴していた。
 
 23日の第一回口頭弁論で、コープ側は「ポイント社との契約はシステムの使用許諾で営業権は生じていない」など請求棄却を求めて全面的に争う姿勢を示した。
 
 ポイント社代理人は太田勝久弁護士、コープ側代理人は神戸俊昭弁護士。裁判官は戸畑賢太氏。
 
 裁判は知的財産権を争うことになるため、東京地裁に移送され次回口頭弁論は3月末ころに行われる見込み。

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