札幌に本社を置く株式上場食品スーパー(SM)3社の2019年3月度の売上高前年比によると、各社とも前年並みか前年をやや超える程度の売り上げを確保、これまでの低迷トレンドから脱した可能性が出てきた。(写真は、アークスグループのラルズが展開する「ビッグハウス千歳店」)

 今年の3月度は、昨年に比べて日曜日が1回多い日取りだったため、各社とも売り上げは回復。アークス(本社・札幌市中央区)は、全店売上高が前年同月比100・8%、既存店売上高は同100・4%だった。全店、既存店ともに昨年9月の震災時に売り上げが伸びてから10月以降は歳末商戦も前年を超えられなかったが、3月は全店、既存店とも6ヵ月ぶりに前年超えになった。
 
 客数は、全店が同100・6%、既存店が同100・5%だった。客数も昨年9月に全店が101・4%、既存店が103・9%と伸びてから前年を超えられなかったが、ようやく前年超えになった。客単価は、全店が同100・1%、既存店が同99・9%になった。

 マックスバリュ北海道(同・同)は、全店売上高が前年同月比101・7%、既存店売上高が同101・0%になった。全店ベースは2ヵ月ぶりに前年を超え、既存店ベースでは昨年10月から5ヵ月ぶりの前年超えになった。
 同社の店舗配置は都市型と地方型のバランスが取れているため、日曜日の多寡にそれほど売り上げは左右されないものの、3月は「ザ・ビッグ」業態が好調で全体の売り上げを押し上げた。
 同社は、客数、客単価の情報を開示していないが、前年割れを続けていた客数は増加に転じたもよう。

 北雄ラッキー(同・同市手稲区)は、この1年間、新店も閉店もなかったため全店と既存店が同じ扱いになっているが、それによると前年同月比99・7%で前年に少し届かなかった。「日曜日が1回多かったが、厳しい状況だった」(広報)という。客数は同100・2%、客単価は同99・5%になった。

 3社ともに、これまでの低迷トレンドからやや回復の手応えを掴んでいる様子で、4月以降は新元号「令和」の決定や大型連休を控えて消費環境はやや好転していると捉えている。「買い上げ点数は増えており、長いトンネルの先に光が見えてきた段階」(マックスバリュ北海道広報)としている。
※2019年4月27日記事一部修正しました。写真は、ビッグハウス千歳店です。読者からご指摘をいただきました。お詫びして訂正いたします。


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