不漁で秋サケ・生筋子が不振、寒さ本格化せず鍋物商材勢いなく食品スーパーは曇りがち

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 道内の食品スーパー各社が、秋サケ不漁による水産物価格の上昇や寒さが本格化していないために鍋物商品が盛り上がらず頭を抱えている。サンマは豊漁というものの、食用に適する大型魚種の割合が少なく店頭価格に反映していない。各社の既存店売上げは8月以降低迷しているが、有効な販促が打てず11月も低空飛行が続きそうだ。(写真は品不足の秋サケ。本文と写真は関係ありません。)
 
 食品スーパー各社は、東日本大震災による影響で保存食やグローサリー商品が好調に推移、8月ころまでは好調に売上げを伸ばしていた。
 
 しかし、8月のお盆過ぎから前年同期よりも落ち込み始め、秋口になって水産物の供給不足が重なって落ち込み幅が広がっている。
 
 昨年9月はタバコ値上げ名に伴う買いだめ需要があったため、今年はその反動で9月の売上げが前年よりも大きく落ち込んだ食品スーパーもある。
 
 10月以降は秋サケの不漁が顕著になり市場価格は2割もアップ、例年売れ筋の生筋子も割高で買い物客が敬遠、店頭では水産物全体に勢いがないという。
 
 豊漁とされているサンマも中・小型の魚種が中心で店頭で人気のある大型魚種は少なく、豊漁効果が価格に反映できないジレンマにある。
 
 ある食品スーパーによると、「この時期はサケ、生筋子、イクラがスーパーの売上げを作る商品だが品不足によって割高になっている。カキも売上げを上乗せできる商材だが、産地だった宮城産が入手できず佐呂間や広島、韓国から取り寄せているものの各スーパーが同じようにこれらの産地から買い付けているために高値になっている」として、買い物客は水産物全体を買い控えしている状況だという。
 
 また、食品スーパー各社が期待する鍋物具材も寒さが厳しくならないために売上増に結びつかないようだ。鍋には菌竹類や野菜、たら、豆腐などを使うために食品スーパーにとっては全体の底上げが図れる商材。立冬を過ぎたものの本格的な冬の訪れはもう少し先になりそうで、食品スーパーは一刻も早い雪の到来を待ちわびている。
 
 道内で上場している食品スーパーの8月以降の既存店売上高を前年同月と比較すると、アークスは8月98・1%、9月95・8%、10月99・4%。マックスバリュ北海道は8月103・6%、9月100・9%、10月106・6%、ダイイチは8月100・3%、9月97・5%、10月103・2%。マックスバリュ北海道は格安スーパー「ザ・ビッグ」が2店舗増えるなどリニューアルの効果があったようだ。

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