アークスの2012年2月期決算は、ユニバースとの経営統合によって377億円の売上増、12億円の営業利益増などが加算されるため売上高3470億円、営業利益109億円と前期比14・3%の増収、17・6%の営業利益増になる。経常利益は16・3%の増加の117億円、純利益はユニバースの子会社に伴う負ののれん代67億円が特別利益計上されるため223・9%増、54億4900万円になる見込み。(写真は札幌市中央区のアークス本社)
12日に発表した中間決算は、既存店売上が100・6%と前年中間期をクリアしたため売上高は同2・1%増の1543億4300万円、営業利益は同10・4%増の50億3800万円、経常利益も同8・6%増の54億1100万円になった。
純利益段階では今期から新会計基準として適用になった資産除去債務5億6900万円や東日本大震災の義援金1億1500万円を特別損失として計上したために、前年中間期よりも17・6%減の23億5900万円。利益貢献度ではラルズ、東光ストア、エルディ(ホームセンターカインズ等を運営)の順。
期中の新規出店は、4月の「ビッグハウス旭町店」(釧路市=福原が運営)、7月の「ベストプライス豊岡中央店」(旭川市=ふじが運営)の2店。リニユーアルは、3月「ベストプライス神居東店」(旭川市=ふじ)、4月「ラルズマート石山店」(札幌市=ラルズ)、5月「ラルズマート真駒内店」(同)、6月「ラルズマート北35条店」(同)の4店舗。
閉店は、「フクハラ鳥取店」(釧路市=福原)、「フクハラアベニュー店」(同)、「フクハラ西帯広2丁目店」(帯広市=福原)の3店。
また、4月から一時閉店している「フクハラ中園店」(釧路市=福原)は11月に建て替えオープン予定。
これらを差引した中間期時点での店舗数は201店舗。
古川公一執行役員コーポレート部門担当は、「第一四半期(3~5月)は、震災の影響でミネラルウォーターやコメ、カップ麺の売上が好調で全体を押し上げたが、第二四半期(6~8月)は勢いがややダウンした。下期以降はさらに景況感の下振れと競争激化が予想されるため脇を締めてかかりたい」と語った。
また、古川氏は「競争の最終段階に来ている」と、道内のさらなる流通再編が近づいているという認識を示した。
中間期では食品ウェートが79・1%から79・7%にアップしたが、東光ストアの食肉部門が直営化(それまでは東急百貨店の子会社セントラルフーズが担当しテナント計上されていた)されたため。
アークスでは、発注、仕入れ、在庫、販売実績などを統括管理する「アークス次世代システム」を10月から稼動させており、経営効率化を徹底させる。また、9月からグループの統一人事制度を導入、グループ間の人事異動などを機動的に行える制度を導入した。
10月21日のユニバースとの統合の後には網走の篠原商店の完全子会社化を実施するが、当初11月1日としていた子会社化の日時を11月9日に変更、「スケジュール調整で変更したもので、特別に何かあったわけではない。9日は奇しくも大安」(古川氏)としている。
なお、中間期現在の「アークスRARAカード」の会員数は前年中間期より12万人増加して162万人に、ポイント提携企業も18社増加して97社に拡大した。