ダイイチ(本社・帯広市)の鈴木達雄社長は、旭川地区の食品スーパー競争に勝ち抜くため今期(2018年9月期)販促等の費用として1億円を投入する考えを示した。一つの地域にこれだけの販促費をかけるのは異例。(写真は、帯広市のダイイチ本社)
旭川の東地区は、食品スーパーの増床や新築が今年の秋口に集中、大乱戦状態になっている。ダイイチは「東光店」を7億円で増床新築、11月7日にオープンさせたほか、同時期にアークス(本社・札幌市中央区)グループの道北アークス(同・旭川市)が、「ビッグハウス東光店」を「スーパーアークス東光店」に建て替え、マックスバリュ北海道(同・札幌市中央区)もディスカウントストア(DS)の「ザ・ビッグ緑が丘店」を新築した。
このため、旭川東地区はかつてない大乱戦に陥っている。「スーパーアークス東光店」は、B2サイズのチラシをほぼ毎週のように新聞に折り込んでいるほか、「ザ・ビッグ」も相場高の野菜類を低価格で販売するなどして買い物客を集めている。
ダイイチの「東光店」は予定通り集客しているものの、近隣の「豊岡店」や「二条通店」、「東旭川店」などは東地区の乱戦に引っ張られて前年同月割れになっている。
鈴木社長は、「今期は新店建設よりも旭川の安定化が最優先」として、販促費に1億円を投じる考えを示した。低価格による価格訴求とバックヤードの設備一新を進めていく考えだ。「当社の営業利益は約14億円。その中から1億円を投じて旭川で存在感を高める」と決意を示した。
道北アークス、マックスバリュ北海道もさらに販促を強化することが予想され、2018年の旭川スーパー戦争は新たな段階に入りそうだ。