マックスバリュ北海道は20日、札幌市南区石山に低価格業態の食品スーパー「ザ・ビッグ石山店」をオープンさせた。マックスバリュ石山店を業態変更したもので、札幌市郊外のショッピングセンター(SC)内では、初めての「ザ・ビッグ」出店になる。低価格を武器に広い商圏から買い物客を呼び込み、SC全体の活性化にもつなげたい考え。(写真は、新玉ねぎやにんじんを買い求めるお客とオープンしたザ・ビッグ石山店)
この日は午前9時オープンの予定だったが、10分早めて開店。詰め掛けた買い物客は、店頭に並べられた1個9円の新玉ねぎやにんじん、じゃがいも、1本17円のきゅうりなどを争うようにまとめ買いする姿が見られた。
この店舗は、2007年にオープンしたSC「アクロスプラザ札幌南」の核店舗と。「マックスバリュ石山店」として4年間営業してきたが、売り上げ低迷が続いたため、低価格をアピールする「ザ・ビッグ」に全面リニューアルした。
「ザ・ビッグ」は、同社が昨年初めからスタートさせた新業態の食品スーパー。昨年、一気に5店舗を既存店舗の業態変更で出店し、店舗面積や商圏によって売れ筋がどう違うかなど、足元のニーズに合った品揃えや価格帯を修正しながら運営してきた。
今年に入ってベースになる運営形態が確立できたとして、今回初の郊外型SCの既存店舗を「ザ・ビッグ」に変えて効率性や生産性を高めていくことにした。
「ザ・ビッグ石山店」の商品数は約8000SKU(在庫保管単位)で通常とザ・ビッグと同じ。水産、畜産、農産に惣菜を加えた生鮮食品の売り上げ比率は40%程度になると見ている。
専用工場でパック詰めして店頭に並べるアウトパック比率を徐々に高めていきながら粗利アップを狙っていく。
斉藤靖尚取締役新業態事業部長(47)は、「これまでの『ザ・ビッグ』は足元商圏に買い物客が多く見込めたが、石山店は札幌の郊外立地のため、藤野や真駒内などからどれだけ多くのお客様を引っ張ることができるかがポイント」と語る。
国道230号線に面したこの付近にはトライアル藤野店やコープさっぽろ藤野店、東光ストア藤野店など食品スーパーがひしめく。とりわけ、トライアルは低価格を売り物にしているだけに、ザ・ビッグとの価格戦争は激しさを増しそうだ。
マックスバリュ北海道では、各店舗の商圏調査を再度実施しており、これまでの既存店舗の変更から新店で「ザ・ビッグ」をオープンさせる可能性もあるという。