コープさっぽろ(本部・札幌市西区)の2016年度決算(16年3月21日~17年3月20日)は、企業の経常利益にあたる経常剰余が54億800万円、純利益にあたる純剰余が約26億円になり15年度よりそれぞれ4億円、10億円の減少だった。IMG_0937 (2)(写真は、コープさっぽろ本部)

 利益減少の原因は、若手職員中心にベースアップをしたことやパート・アルバイトの社会保険加入対象が週20時間以上(従来は30時間)になったことなどによる20億円の人件費増。それにポイント引当金にあたる供給割り戻しなど10・5億円の物件費増。「事業高拡大による事業剰余増で経費増を吸収しきれなかったが、経費はいずれも前向きなもの。経常剰余が2年連続で50億円を突破、収益の壁を破ることができた」(コープさっぽろ)としている。

 売上高にあたる事業高は、15年度比3・7%増の2777億3000万円、粗利にあたる事業総剰余は同4・5%増の750億9800万円。粗利率は、27・03%で同0・2ポイント増加した。
 経常剰余は前述した経費増により同6・8%減で、純剰余段階では店舗の減損損失5億8000万円を計上したことなどにより同28%減になった。

 部門別事業高は、店舗が同2・5%増の1902億7400万円、宅配は灯油を含んで同6・2%増の798億5900万円。部門別経常剰余は、店舗が11億円の赤字で15年度の赤字5億円より拡大。一方、宅配は65億円で15年度より3億円上積みした。

 組合員は165万4657人で15年度より5万8532人増え、出資金も38億8300万円増の678億8900万円になった。なお、組合債は7億19000万円が償還されて363億7100万円の残高。

 事業高拡大によるキャッシュフローの増加で金融機関借入金98億円を返済、借入金残高は45億円と過去最低規模になった。北洋銀行の借入金約20億円は完済したため三井住友銀行、みずほ銀行、北海道労働金庫のみ取引になる。

 17年度は、設備投資に55億円を投じて「深川店」を同一敷地内の土地を利用して移転建て替えるほか、帯広市内の宅配センターを移転して2拠点化、さらに浜頓別町、天塩町、斜里町などに小規模の宅配デポセンター4ヵ所を開設する。

 販売面ではポイントカードと電子マネーを一体化したカードを普及させ、年間30万円以上利用するコアカスタマーに向けて各地区の特色を活かしたキメ細かなDM戦略を実施する。
 これらによって事業高を16年度比3%増の2870億円、経常剰余を同25%増の68億円と見込む。部門別経常剰余は店舗が5億8000万円の赤字、宅配は73億5200万円の黒字と予想している。



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