北海道のコンビニエンスストア業界では、地場で首位の「セイコーマート」と国内首位の「セブン―イレブン」の攻防が注目されている。この10年で一時は186店舗の差をつけたセイコーマートだが、セブンーイレブンの猛追で徐々に差が縮まってきた。それでも直近の2016年12月末では135店舗の差がある。果たして、セブンーイレブンは店舗数でセイコーマートに追い付けるのか。(写真は、セイコーマート店舗とセブン―イレブン店舗)
セブンーイレブンの国内店舗数は、2017年にも2万店を突破する。12年2月期から全国で年間1000店を超える出店を行っており、16年12月末の国内店舗数は1万9162店舗。国内のコンビニ店舗の売上シェアでは、16年2月期で41・7%を占めている。これほど強いセブン―イレブンだが、北海道では先達であるセイコーマートの後塵を拝している。
100店舗の増加にどのくらいの年月を要しているだろうか。セイコーマートは、6年、セブンーイレブンは5年と直近10年間だけを見るとセブン―イレブンが1年早いスピードだ。札幌市内はほぼ飽和状態で地方は人口減少が急速に進むなど、出店環境は、札幌圏、地方圏共に逆風だ。直営店の切り替えが8割に達しているセイコーマート、ほぼ100%オーナーが運営するフランチャイズ店のセブンーイレブンでは1店舗の損益分岐点などの違いが出店スピードの差にも表れてくるだろう。
ここで、過去10年間のコンビニ店舗数の推移を見てみよう(別表)。
過去10年間の北海道コンビニエンスストア店舗数推移
セイコーマート セブン―イレブン ローソン サンクス ファミリーマート
2006年度 909 832 500 211 13
2007年度 929 819 496 205 23
2008年度 939 821 498 203 30
2009年度 967 815 518 194 40
2010年度 1001 831 532 191 45
2011年度 1030 844 550 191 52
2012年度 1051 881 576 192 58
2013年度 1064 900 595 191 68
2014年度 1068 922 619 192 75
2015年度 1084 941 628 188 47
※セイコーマートは12月末が年度末、他は2月末が年度末。2006年度とは、セイコーマート=2006年12月末 他=2007年2月末 店舗数は各社の決算情報などから抜粋した
(直近)
セイコーマート セブン―イレブン ローソン サンクス ファミリーマート
2016年12末 1085 950
2016年11末 637 181 61
セイコーマートとセブンの店舗差は、2006年度77店舗、07年度110店舗、08年度118店舗、09年度152店舗、10年度170店舗、11年度186店舗、12年度170店舗、13年度164店舗、14年度146店舗、15年度143店舗と07年度以降は100店舗以上の差が開いたまま縮まらない。
セブンーイレブンの2016年2月末の店舗数は941店舗で同年12月末は950店舗だ。3~12月までに本サイト調べで44店舗の出店をしたが、その間に閉店35店舗があって純増の店舗数は9店舗にとどまっている。もっともセイコーマートも2016年度は純増1店舗だ。果たして2017年度にその差は開くのか、縮むのか――そして、近い将来にはセイコーマートとセブン―イレブンの店舗数逆転はあるのかどうか。北の盟主と国内ナンバーワンコンビニは、北の大地で覇権を賭けた争いを繰り広げている。