サツドラホールディングス(HD、本社・札幌市北区)の子会社、リージョナルマーケティング(同・同市北区、略称RM)は、2017年1月中旬からWeChat向けの公式アカウント「飄飄北海道」(ピャオピャオホッカイドウ)のサービスを中国人観光客向けに始めることを明らかにした。(写真は、WeChat向け公式アカウント「飄飄北海道」について説明するサツドラHD・RMの富山浩樹社長=手前。右から2人目はテンペイ社の朱立強副総裁。2016年12月15日午後、札幌市豊平区のプレミアホテルTSUBAKI札幌で)
WeChatは中国で月間8億人が利用するSNSサービス。RMは、北海道を旅行する中国人が普段使っているWeChatで、便利で安心して北海道を楽しめるようにスマートフォンの「北海道のゲートウェイ」として「飄飄北海道」を普及させたい考え。
RMは11月15日、WeChatを運営する中国・深圳市のテンセントホールディングスの子会社で決済代行サービス「WeChat Pay」のサービスを提供しているテンペイ社とインバウンド向けに「WeChat Pay」を日本国内で普及させる目的で業務提携を締結した。
「WeChat Pay」は、銀聯クレジットカードなどと違い、スマホのWeChatのSNSベースで決済できるもので、中国では手軽な決済サービスとして毎日4億人以上が利用している。
日本国内では15年10月から導入され、成田空港や羽田空港、大丸松坂屋百貨店、アインズ&トルペなどまだ800店舗程度しか使えない。RM社は、加盟店の拡大や加盟店での端末設置などの導入支援を実施して、中国人観光客向けの決済サービスとして広く普及させていく考え。
その一環として、WeChat公式アカウントの「飄飄北海道」を開発、中国人観光客向けに17年1月中旬からサービスを開始することにした。このアカウントを登録することで、北海道の観光や温泉地、スイーツ、飲食、スキーやゴルフ、イベント、タクシー配車、買い物などの情報にアクセスできるほか「WeChat Pay」の決済サービスもできるようになる。帰国後も越境ECで商品購入ができるほか、口コミ情報の共有もできる。
サツドラHD・RM社の富山浩樹社長は、「中国人が自国で普段利用している決済方法が北海道でも使えるようになればとても便利。便利さはおもてなしの1つの条件とも言えるので、WeChatで北海道を中国人観光客のおもてなしナンバーワンの地域にしたい」と話している。
サツドラHDとRM社の主催で15日、テンペイ社の朱立強副総裁を招いたセミナーを札幌市豊平区のプレミアホテルTSUBAKI札幌で開催、その中で富山社長が新サービスを紹介した。セミナーには飲食、宿泊、小売など各業界から約250人が出席した。