セコマ(本社・札幌市中央区)は卸・物流を担うグループ企業、セイコーフレッシュフーズ(同・同市白石区)の釧路配送センター移転新築工事を進めていたが28日から本格稼働することに伴い、取引先関係者約100人を集めた内覧会を24日開催した。冷凍・冷蔵・常温の3温度帯商品の保管・仕分けとともに防災機能を備えたセコマグループ初の配送センターになる。釧路市や北見市など道東地区の物流拠点としてセイコーマート店舗以外にも物流事業を広げていく。IMG_0148(写真は、28日から本格稼働する新・釧路配送センター)
IMG_0198(写真は、挨拶するセコマ・丸谷智保社長=左とセイコーフレッシュフーズ・本田竜也社長)

 同社は、釧路市星が浦にあった旧釧路配送センターが、築18年で老朽化していることから用地を近隣に取得して移転を検討。  しかし、東日本大震災後の津波対策強化でさらに内陸の土地が必要と判断、釧路市阿寒町下舌辛(しもしたから)に約4万㎡を確保して新配送センターを建設していた。総工費は約20億円。

 建物は鉄骨2階建てで延床面積約8784㎡。旧センターに比べ敷地は6倍、面積は2倍になる。建設を担当したのは、釧路市の葵建設。
 新センターは、海抜20m以上で海から内陸へ25㎞入ったところにあり津波の心配は少ない。また、今年3月に開通した道東道阿寒ICから北へ約800m、釧路空港からは15分ほどの距離。これまで札幌と星が浦のセンターまで6時間かかっていた運送時間は4時間に短縮でき、これによってセンター内の作業が大幅に効率化できる。

 自家発電設備(330KV)2台を配備。敷地に3万5000㎘のA重油タンクを設置しており、周囲が停電になっても最大で20日間は稼働を続けられる。また、自前の給油スタンドも持ち、4万8000㎘を備蓄。周辺エリアで給油できなくても常時使用する40台のトラックがセイコーマート店舗とセンター間を3週間往復できる。

 センター内部はマイナス25℃の冷凍室、8℃の冷蔵室、常温室に分かれ、ケース品では6万4000ケース、バラ物のピース品1万3300ケース、冷凍品3万ケースが保管できる。店舗ごと、ルートごとに商品を自動仕分けできるようにして省力化も図っている。照明はLED、各種センサーも不稼働時は電源が自動的に切れる省エネタイプ。従業員約65人でドライバー約60人が新センターで勤務する。

 配送エリアは釧路市や根室市、北見市、網走市など道東22市町村で、セイコーマート131店舗のほか、外部取引先80店舗など合計300店に毎日商品を供給していく。セコマは、道や各市町村、自衛隊と災害協定を結んでおり災害時でも機能する道東の物流拠点として位置付ける。
 
 セコマの丸谷智保社長は、「釧路市はバルク港構想が進んでおり物流基地として着目されている。新配送センターは、道東地域に密着したビジネスを展開するセコマグループの戦略拠点になる。農産物の物流にも役に立てるようにしたい」と挨拶した。
来賓の名塚明釧路市副市長は、「防災機能を備えたセコマグループとして初めての配送センターに地域としても心強く思う。今後は取引先が拡大して、東北海道エリア住民の安全で安心な生活に寄与する物流センターになって欲しい」と述べた。
 また、北洋銀行の迫田敏高常務は、「高い戦略性を持った配送センターでセコマグループの道東地域におけるビジネス戦略と地域貢献のシンボルのような施設だ」と語った。
IMG_0169(写真は、センターの内部)



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