台湾のPOSシステム会社、フェック(FEC)は、コープさっぽろ子会社のデュアルカナム(東京都港区)と共同でモバイル型POS端末を開発、コープさっぽろの移動販売車向けに2017年春から採用する。1回の充電で約10時間使用でき、コープのポイントカード、電子マネーに対応、顧客の購買履歴も蓄積できる。電源喪失の災害対応時や屋外での大型イベントなどに使うモバイルPOSとしても利用を進めていく。(写真は、モバイル型POS端末を持つFECのビル・スー社長=左とコープさっぽろ大見英明理事長)
FECとデュアルカナムは、2012年からコープさっぽろ店舗のPOSレジを共同開発してきた。コープのニーズをFECが形にして12年末から新しいレジを店舗に採用、14年3月で全108店舗に合計1100台を納入している。
さらに、電子マネーやポイントカードなどカード情報やクーポン発券の機能を持つKIOSK端末(銀行ATMのような端末)も共同開発し、こちらは今年3月から店舗に約250台を配備した。また、電子マネーへのチャージ機も共同開発して100台を店舗に設置している。
FECとデュアルカナムは、今回POSレジの進化版としてモバイル型POSを共同開発。タブレットサイズでカードリーダーやバーコードスキャンなど従来のPOSレジと同様の機能を持たせており、どこでも自由に持ち運べる利点がある。従来のバックアップPOSでは30分程度しか持たなかったが、1回の充電で10時間使えるメリットもある。
コープさっぽろでは、まず来春から移動販売車全76台に導入して、店舗と同様のポイントサービスを提供できるようにするほか店舗の災害対応用にも全店に導入、当面200セットを使う予定。
27日の会見に出席したコープさっぽろの大見英明理事長は、「店内のモバイル発注にも使えるマルチ端末で大きな可能性がある」と話した。また、FECのビル・スー社長は、「コープさっぽろの現場の声を聞き、当社が形にして信頼関係を築いてきた。一層交流が深まることを期待している」と語った。