コープさっぽろ(本部・札幌市西区)がファミリーマート(本社・東京都豊島区)に疑心暗鬼を募らせている。年初に業務提携に向けた基本合意書を締結したが、コープさっぽろ側の提案に回答が一切ないためだ。IMG_7936(写真は、コープさっぽろ本部)

 ファミマは、9月にユニーグループ・ホールディングス(略称・ユニーGHD、同・愛知県稲沢市)との経営統合を控えているが、北海道レベルではファミマとユニーGHD傘下のサークルKサンクスが7月に入っても互いにコンビニ経営者の募集チラシや広告を出すなどして、統合は遠い先であるかのようなチグハグな戦略をとっている。
 
 計画によれば今年9月の経営統合を終えた後、2018年2月末までの1年5ヵ月間で「サンクス」と「サークルK」の看板や内装を「ファミリーマート」に完全移行することになっており、道内のサンクス185店舗が現在、道内50店舗のファミマに転換する。
 
 こうした大再編を前に、コープさっぽろとファミマの提携に向けた話し合いが一向に進んでいない。検討の方向性は①店舗に関する事業での共同の取り組み②宅配に関する事業での共同の取り組み③生産工場等での共同の取り組み――の3つの分野で進めることになっているが、基本合意書締結後、半年で何も話し合われていない。
 
 コープさっぽろの大見英明理事長は、「こちらから提案しても何も打ち返しがない。北海道レベルで業務提携を具体化するのは難しいのではないか」と述べ、基本合意書の撤回にも言及した。ファミマにとってユニーGHDとの統合後の北海道戦略を描くには、道内流通界で大きなシェアを握るコープさっぽろとの緊密な関係が不可欠。ファミマの無反応にコープさっぽろの苛立ちは頂点に達しているようだ。


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