コープさっぽろ(本部・札幌市西区)は25日、道内の児童養護施設に食品を提供するフードバンク事業『トドックフードバンク』を5月5日から始めると発表した。宅配トドックの受発注ミスや宅配センターでのピッキングトラブルなどで返品される食品のうち品質に問題ないものを無償提供して施設の子どもたちに役立ててもらう社会貢献事業。また、施設での食育イベント『フードキャラバン』にも取り組み食の大切さを伝える活動も展開する。IMG_4118(写真は、フードバンク事業を開始するコープさっぽろの大見英明理事長=左と提供を受ける北海道児童養護施設協議会の高橋一彦会長)

 コープさっぽろの宅配トドックに関わる返品は年間2400万円の規模。組合員の定期購入品が旅行などによって不要になりキャンセルされたものやカタログのチェック欄を間違えたりして発生するもので、これまでは内部で廃棄処理などをしていた。
 
 こうした「もったいない食品」を有効に利用してもらおうと虐待や経済的事情などによって親元から離れて暮らす子どもたちを預かる養護施設に無償提供することにした。当初は全道23施設、約1300人を対象とするほか施設を卒園した18歳以上の自立、自活の支援や里親たちへの協力も行う。
 
 具体的なデリバリー方法は、全道31ヵ所にある宅配センターに集まった返品食品のリストをセンターごとに近くの施設に開示、必要に応じて取りに来てもらうもので宅配トドックと同様、週1回の頻度で実施する。こうしたフードバンク事業は、コープ東北(本部・仙台市)でも行っており、コープさっぽろは生活協同組合としては2例目。
 
 記者会見で大見英明理事長は、「当組合は、食品ロス問題に積極的に取り組んでおり、まだ食べられるのに廃棄される『もったいない食品』を有効に利用してもらい課題解決に繋げたい。まず児童養護施設でこの取り組みを成功させて順次他の施設にも広げたい」と話した。
 また、同席した北海道児童養護施設協議会の高橋一彦会長(児童養護施設岩内厚生園園長)は、「園の運営で給食費の占める割合は高く、子どもたちにもっと食べさせたいと思っていたので今回の取り組みには感謝している」と語った。
 


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