ニトリホールディングス(札幌本社・札幌市北区、東京本部・東京都北区)の似鳥昭雄会長(72)が、ホームセンターのコーナン商事(同・大阪府堺市西区)の社外取締役に就任する。有価証券報告書から見る限り、似鳥氏が社外取締役になるのは今回が初めて。5月26日のコーナン商事株主総会の承認を経て正式就任する。(写真は、似鳥昭雄氏=昨年8月ニトリレディスゴルフトーナメントの前夜祭で)
コーナン商事は、1978年創業のホームセンターで創業者の疋田耕造氏が一代で築き上げた東証一部上場企業。先に発表された2016年2月期決算は、売上高3029億3400万円、営業利益145億6800万円で15年2月期比3・1%の増収、23・1%の増益。
業界ランクとしては、ホームセンター業界トップのDCMホーマックなどを傘下に持つDCMホールディングス(本社・東京都品川区)、2位のコメリ(同・新潟市南区)に続く3位の企業。
ただ、13年11月には同社と同社の女性取締役との不透明な取引や当時の耕造社長との関係が指摘され第3者委員会で追求された。ワンマン創業者としてコーナン商事を全国的なホームセンターに育てた耕造社長は、取締役相談役に退き、女性取締役は更迭、耕造氏の子息である直太郎副社長(59)が社長に就任した経緯がある。
14年5月に耕造氏は退任したが、前後して同社のプライベート(PB)の電気用品約80品目に安全性の問題があり自主回収したこともある。
同社の社外取締役には、14年5月から田端晃弁護士が就任しているが、16年5月には元東ソー副社長で現在太平洋セメント社外取締役の太田垣啓一氏(71)も社外取締役に選任され、似鳥氏を含めて社外取締役は3人体制になる。似鳥氏は創業経営者としてニトリをインテリア、ホームファッションの全国企業に育てた手腕があるが、コーナン商事の社外取締役として経営にどんな影響を与えるだろうか。