決算期間近の1月に襲った大雪に泣いた食品スーパーの恨み節

流通

 記録的な大雪が続く北海道、札幌も例年の倍にもなる積雪が街中を覆っている。同じ札幌市内でも降雪量に差があるが、この大雪に泣いているのがスーパーだ。とりわけ、広域商圏のスーパーではその影響が大きいという。


 江別市内に店舗がある某食品スーパー社長は、「1月の売上げは諦めた」と大雪になす術がないといった表情。正月三が日は本州の正月を思わせるような雪のない暖かい日々だったが、6日ころから断続的に雪が続く。その後は、週末ごとに大雪となり交通障害があちこちで起こった。
 雪が降ると札幌の道路は『片側3車線は2車線に、2車線は1車線に、1車線は交互通行』というように、目的地への所要時間は雪のない期間に比べて倍を見込んでいなければならない。
 その江別市内のスーパーは、食品スーパーとしては一般的な約1800㎡の売場面積を持ち、商圏は5㌔ほど。それが大雪による影響で2㌔ほどに狭まっているという。
 週末ごとに大雪に見舞われたために、「書き入れ時の土・日に売上げが下がる」という過去に経験のないような事態にも直面している。
 別の中堅食品スーパーでも同様で、「札幌市内の店舗は全部悪い。前年より好調なのは札幌以外の店舗」と売上げ規模の大きい札幌市内の影響は大きいようだ。
 広域商圏から集客するショッピングセンターなど大規模小売店舗の影響も大きい。「大雪→車線減少→交通渋滞→買い物敬遠」という図式が眼に見えるように現れている格好だ。もっとも、こうした大規模小売店舗では、インターネットで商品を注文して宅配する“ネットスーパー”が好調だそうだ。
 流通関係者によると、「歩いて行けたり、車ですぐに行けるような小商圏の食品スーパーは逆に好調だったのではないか」と述べている。
 食品スーパー各社は2月を決算期にしている企業が多い。消費低迷と価格下落で既存店売上高の前年割れが続いている中での1月の大雪。競争激化の中で起こった豪雪被害に、食品スーパー各社の恨み節が聞こえてきそうだ。

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