セイコーマートの道内牛乳販売シェアが農協系統組織の乳業会社で道内ナンバーワンのよつ葉乳業にヒタヒタと迫っている。シェアの差は二桁を切り一桁台に入っている。数年後には逆転する可能性もある。
セイコーマートはコンビニというよりも生活ライフラインを支える小型食品スーパーの品揃えを重視している。店舗では、生鮮品も充実しており野菜類はグループ会社の出資で農業生産法人を設立、関東にもレタスを生産するビニールハウスを備えた生産法人も稼動している。
特に重視しているのは、生活に欠かせないコメ、牛乳、タマゴの3点。同社の赤尾昭彦会長によると、「この3点を完全に供給できるフランチャイズチェーンは他にはないだろう」と言う。
タマゴは全道で10%以上のシェアを確保、タマゴの加工会社「北海道千日」も加ト吉から昨年買収した。
牛乳はグループ会社の豊富牛乳公社で生産しているが、道内の販売シェアは20%を超えたという。道内の牛乳販売シェアでトップは30%弱のよつ葉乳業。よつ葉は全国に牛乳を販売しているが、道内だけを見るとセイコーマートはよつ葉の背中を捉えたといっても良さそうだ。
牛乳に関して、森永、明治、メグミルクの販売シェアは小さくセイコーマートとよつ葉の2強が大半のシェアを抑えている。セイコーマートでは、道外に対しても原料乳をローリー単位で出荷している。
豊富牛乳公社で生産されて原料乳は一旦指定生乳生産者団体であるホクレンに集められ、そこから配乳されており、セイコーマートもインサイダーの一社。セイコーマートは道内店舗が1000店を超えるなど牛乳消費量も拡大、今後もシェアは増え続ける見通し。数年後にはかつてホクレン中興の祖と言われた太田寛一さんが作った北海道協同乳業(現よつ葉乳業)と並ぶことになるかもしれない。
ただ、セイコーマートは乳製品については事業化する予定はないという。赤尾会長は、「うちでチーズを作れば安く作ることができるかも知れないが、チーズを売る自信はない。ブランド力も必要だからね。将来に亘ってやらないとは言わないが今の段階ではやらない」と述べている。