コープさっぽろ(本部・札幌市西区)は16日、3月1日から家庭向け電力販売の受付を開始、6月から北海道全域(離島を除く)で販売すると発表した。子会社のトドック電力とエネコープを通じて販売するもので、この日は具体的に北海道電力よりも割安な料金プランを公表、消費者に選択肢を提示して電力販売を増やしていく。IMG_2227(写真は、コープさっぽろの電力メニューを発表する大見英明理事長=右と木暮明大トドック電力専務)

 コープさっぽろの電力メニューは、①再生エネルギーを利用したFIT電気メニュー②ベーシック電気メニューの2種類で①はトドック電力から、②はエネコープが電気事業者になりコープさっぽろが取り次いで一般家庭向けに販売する。
 
 再生エネを利用したFIT電気は、道内の王子製紙尻別川第一・第二発電所(水力)やJEN昆布盛ウインドファーム(風力)、王子グリーンエナジー江別(木質バイオマス、石炭)の4ヵ所で発電した再生エネを60%使用する電気メニューで地球環境保護を消費者とともに実現していく、言わば共生型メニュー。残りの40%は、上越エネルギーサービスの水力と天然ガス、重油を原料にした火力から卸供給を受ける。
 ベーシック電気メニューは、王子・伊藤忠エネクス電力販売から卸供給を受ける。
 
 再エネ利用FIT電気料金は、一般家庭で使う従量電灯Bで北電と比較すると、120~280kWhまでで0・5%、280kWh以上では1%それぞれ安くなる。
 また、コープさっぽろが扱っている灯油とのセット割なら120~280kWhまでで2・5%、280kWh以上なら3%安くなる。
 
 ベーシック電気は、北電との比較で120kWhまでが1%、280kWhまで2%、280kWh以上は8%安くなる。灯油とのセット割では120kWhまでが3%、280kWhまでは4%、280kWh以上は10%安くなる設定になっている。
 
 モデル料金として30A契約、1ヵ月使用電力量260kWhの時で「ベーシック電気・灯油セット割」は7738円で北電の7990円に比べて1ヵ月252円、年間3024円の差が出る。また、40A契約で1ヵ月使用電力量が400kWhの場合は、「ベーシック電気・灯油セット割」は1万2247円となり北電より677円安い。年間では8124円の支出減となる。
 
 こうした割安メニューとともに電気料金360円ごとにコープさっぽろのポイントが1ポイント(1円相当)付き、貯まったポイントはコープの店舗や宅配トドックで利用できる。また、コープさっぽろが取り扱うトドックスマホを利用していれば携帯料金と電気料金の合計料金から毎月一律100円を割り引く。さらに、電気、灯油、LPガス、宅配トドック、スマホの料金を一括して請求、決済を一度にできるようにもしている。
 
 電気の送配電は北電の設備を利用、メーター交換等も北電の子会社を通じて行い、電気が家庭に届く経路は変わらず、北電の供給から切り替えても停電の心配はない。
 
 コープさっぽろの大見英明理事長は、「無競争状態だった電力販売に参入して暮らしやすい北海道の生活環境を整えたい。組合員の自宅まで宅配トドックによる商品供給、灯油供給を行っておりさらに電気も届けることで生活に関わるインフラをより便利にしていく。また電力料金が上がった時の抑止力にもなれるようにしたい」と話した。
 トドック電力の木暮明大専務は、「再生エネ利用のFIT電気メニューを詳細に示したのは、コープさっぽろが最初。再生エネメニューでも北電の同等メニューに比べて割安で、ベーシック電気メニューはかなり競争できる料金だ」と述べた。
 
 コープさっぽろでは、3年後に10万世帯の契約を実現したい考え。申し込みは、コープさっぽろの店頭や宅配トドック、インターネット、電話で受け付け、専用のコールセンター(ナビダイヤル0570―000700)も設けている。
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