サッポロドラッグストアー(本社・札幌市北区)は、中国のネットギャグドラマ界でカリスマ的存在の日本人、山下智博さん(30、小樽市出身)を起用したミニドラマを制作、中国のネットメディアで発信する。札幌コンテンツ特区推進の映像制作助成金を活用、北海道テレビ放送(HTB)が協力する。27日、そのミニドラマの撮影が、サッポロドラッグストアー「狸小路店5丁目店」(札幌市中央区南3西5)で行われた。IMG_1552P1080779(上の写真は、富山浩樹社長=右と山下智博さん=真ん中。下の写真は、泡だった頭で女子高生に迫る山下さんのカット)

 山下さんは、小樽出身で大阪芸術大学卒。札幌芸術文化財団に就職して札幌教育文化会館の舞台プロデュースを担当。2012年に上海の上海大学美術学院大学院に留学し中国でアート活動を展開。その一環として中国の動画配信サービスを利用して自身で制作した笑いやサブカルチャーのミニドラマを発信している。
  
 中国で人気のギャグやテンポをベースにして日本人のおたく的こだわりなどを動画で紹介、「私は日本ではノーマルな人間だと思っていますが、中国では“変態”のように見られています」(山下さん) 
 中国で人気のbilibili動画やYouku/Tudou等の動画配信の再生回数は延べ4億回を超え、Weiboのフォロワーは55万人、雑誌AERAでも日中国境を超えるネット界のカリスマと紹介されている。
 
 サッポロドラッグストアーは、中国人観光客などインバウンドの爆買いを受けて業績は好調。ただ、「爆買い需要は続かない。受け身の対応より今後はこちらから良い商品を発信していく必要がある」(富山浩樹社長)
 この一環として、中国の若者の間で大人気の山下氏を起用、札幌の観光やサッポロドラッグストアーの商品を使ったミニドラマを制作して中国でネット配信することにした。
 
 ミニドラマは、山下さんが既に中国で発信している『紳士の1分劇場』の札幌編という内容。札幌にある架空の高校を舞台に起こる不条理で奇想天外なショートギャグドラマで撮影現場となった狸小路店では、高校の制服姿をした山下さんがシャンプーで泡立てた頭のまま登場したり、パック姿や馬油を顔一面に塗って女子高生役の女性に迫るカットなどが撮影された。
 
 今後編集作業を経て3月から中国国内の動画配信サービスを利用して4週に亘って放送し、500万回の再生を目標にする。「ミニギャクドラマで使われたサッポロドラッグストアーの商品や店舗などを中国人観光客が実際に札幌に訪れてリアルに体験すると、商品購入に繋がるとともに札幌の良さも実感してもらえるのでは」と山下さんは話している。 
 

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