国分北海道グループの取引先で組織している「国分北海道グループKM会」は、29日に札幌市中央区の東京ドームホテルで2015年度第2回秋季例会を開いた。国分北海道グループの誕生70周年も兼ねた例会で食品メーカーや卸業者など約250人が参加した。IMG_8897(写真は、挨拶する国分北海道支社執行役員支社長の黒澤良一氏)

 国分執行役員北海道支社長兼シュレン国分社長の黒澤良一氏は、2016年1月に道内の国分グループが統合して国分北海道になることを踏まえ、「売上げ規模は1000億円になり北海道唯一の国分として地域密着全国卸として食のマーケティングカンパニーを具体化していく」と挨拶した。
 その後、国分北海道グループの活動事例について納豆カテゴリー関連商材の販促実績と全国味噌棚の展開実績についてそれぞれ報告された。
 
 講演会は、コープさっぽろの大見英明理事長が『北海道小売業の変遷と未来予測』と題して話した。
 大見氏は、アークス誕生の系譜やイオン北海道誕生の変遷について述べ、「ポスフールは2003年9月に38億円で札幌市南区の藻岩店を増床したが、コープさっぽろは隣接するソシア店で徹底した安売りチラシを出して対抗した。それ以降、ポスフールは元気がなくなりイオンに株を譲渡することになった。また、その前の98年には当時の札幌東急ストアが、北区あいの里のコープさっぽろ店舗の横に60億円を投資して店を出した。しかし想定よりもうまくいかず05年に本体の東急ストアの支援を受けることになり、09年にはアークスグループに入って東光ストアになった。つまり経営者がここ一番で勝負をかけた店がうまくいかないとその後の経営が抜本的に変わることを示している」と体験に基づいた小売業変遷の本質を語った。
 
 さらに大見語録は続く。「生き残ると確実に生存者利益が生じることを学んだ。生き残りがすべてだ」

「コープさっぽろは経営危機で98~99年にかけて単年度で450人の大リストラをやった。そのうち120人がアークスに行った。表も裏も繋がっている関係がアークスとコープさっぽろだ」
 
「08年から東日本大震災までの3年間は低価格競争に走りファイティングポーズをむき出しにしたがそれが結果的には良くなかった。コモディティ商品での価格競争から脱却し社会的にどう貢献するかにベクトルを置いて始めたのが配食事業と移動販売車だった」
 
「阪食とライフコーポレーション大阪の高齢化対応と惣菜強化の路線を注意深く見ている」
 
「コンビニエンスストアは日販40万円を切ると採算ベースに乗らない。北海道は現在の店舗数が約2800店で1800人に1店舗。日販40万円で計算すると1500人に1店舗まで増えるだろう。3500~600店舗まで計算上は増えるが、そこで頭打ちになり人口減少などで淘汰が進むのではないか」
 
「これからの成長業態はお客様に近づいているダイレクトマーケティングをやっているかどうかだ。その意味では、コープさっぽろの最大の敵はアマゾンフレッシュだ」
 
 最後に大見氏は小売業の今後の方向性として①卸業とタッグを組む②メーカーと組んでPB強化③コンビニやドラッグストアなど異業種との協業④医療機関や外食、ホテルなど異業態との連携など示し、業態間の相互乗り入れは確実に進行するとした。
IMG_8907(写真は、講演するコープさっぽろ理事長の大見英明氏)
※2016年1月18日記事一部修正

3人の方がこの記事に「いいんでない!」と言っています。