道内食品スーパーのマックスバリュ北海道がここ数年、業績低迷に喘いでいる。新規店舗を出店しても思うように売上げが伸びない、既存店も売上げが減少、社内の士気もいまひとつ盛り上がらない閉塞状況に陥っている。
何とか打開策を探そうと進めているのが、既存店を格安店に衣替えする戦略。価格を従来より1~2割下げて、安さを強くアピールするもので店舗名は「ザ・ビッグ」。本州のマックスバリュが展開している業態を北海道に導入したものだ。
マックスバリュ北海道では、現在平岸、岩見沢、栄町の3店をザ・ビッグに改装、売れ行きは順調に伸びているという。
6月4日にオープンした栄町店では、周辺にある競合店が対抗策を繰り出し、出鼻をくじこうとあの手この手の作戦を展開した。
マックスバリュ北海道の関係者は、「少し離れたところに、ホクレン系の食品スーパーがあるのですが、オープン前日から対抗策としてチラシを撒いていました。キャッチコピーは“ビッグバーゲン”。私たちの店舗名を使って先制攻撃をかけようというのですから、お客様の奪い合いは半端じゃありません」
格安店は、価格に敏感になっている消費者の支持があるものの、食品スーパーにとっては利幅の減少など利益を上げられる仕組みを作っておかないと自らの首を絞めることになってしまう。
マックスバリュ北海道の格安店『ザ・ビッグ』は、実験店舗と位置づけてノウハウや商品調達ルートの確立を現在進行形で模索している。
格安店をオープンさせるとホクレン系スーパーのように周辺の競合店も値段を下げて対抗してくるので、割安感が出にくくなってしまう。ちなみに、栄町店の場合は、ホクレン→ビッグハウス→ラッキーと低価格が周辺店舗に伝播して、地域全体が格安店だらけになってしまう兆候が出ているという。この格安戦争は一過性でおわるのか、長期戦になるのか、いずれにしても体力勝負の戦争であることは確かだ。戦争が終わったらどんな業界地図になっているのだろうか。