100歳の顔をじっと見つめたことはありますか?十人十色の表情には1世紀の年輪が、優しく個性的に時代に溶け込むように刻まれている。札幌のチカホ(札幌駅前地下歩行空間)で100歳を超えた人たちの顔写真だけを集めた一風変わった展覧会が開かれている。まるで、その人が過ごしてきた時代の奥行きまで見えてきそうな不思議な展覧会である。(写真は、右から山下ミツエさん、大見英明理事長、佐々木繁子さん、廣村デザイン事務所主宰の廣村正彰氏、コピーライターの松木圭三氏)
この展覧会は、コープさっぽろ(本部・札幌市西区)の創立50周年を記念した行事。半世紀を迎え、次の半世紀を展望するキッカケにしようと100歳の人の顔を撮影した写真展を企画した。
コープさっぽろの組合員約154万3000人(2015年3月現在)のうち100歳以上の組合員は217人。展覧会への参加を募ったところ、43人の応募があった。その中から健康状態などを考慮して10人を絞り込み、世界中の100歳を取り続けているドイツの写真家カルステン・トーマエレン氏(50)に撮影を依頼、今年1月にそれぞれの自宅で撮ったものだ。
展覧会初日の18日、会場のひとつである北大通交差点広場にはコープさっぽろの大見英明理事長(56)とモデルになった山下ミツエさん(100)、佐々木繁子さん(101)が参加。大見理事長は「どの写真にもその人の人生の重さが出ている。コープさっぽろは高齢化社会の課題解決のためさらに50年先を目指して邁進していくが100歳の人たちから大いなる元気をもらった」と話し、「見る人にきっと元気を与えてくれると思うので多くの道民に見てもらいたい」とアピールしていた。
大型サイネージに映し出された顔の数々には、100歳を生き抜いてきた逞しさや強さと言うより、しなやかさや優しさが凝縮されているようだ。100年続く組織にも通ずることかもしれない。
会場は、チカホ北大通交差点広場(東)と北2条広場(東)、期間は7月18日~23日、10時~18時。
(写真は、自身の写真を見入る山下ミツエさん)
(写真は、家族と展覧会に出席した佐々木繁子さん)