家電量販店のヤマダ電機(本社・群馬県高崎市)は地方店の採算悪化に伴い全国で46店舗を5月末までに一斉閉店することになったが、道内では「テックランド中標津店」(中標津町)と「テックランド稚内店」(稚内市)の2店が対象。既に22日には「完全閉店売りつくし」のチラシが出ており、店舗展示品の売り切りが始まっている。(地方を照らしたヤマダの灯が消える=写真は閉店対象外のテックランドNew北見店)
ヤマダ電機の道内店舗数は札幌市内11店舗を含めて40店。帯広市と苫小牧市に3店舗ずつ、旭川市と函館市、釧路市は2店舗ずつ出店、他は15市2町には1店舗ずつ出店している。ヤマダ電機は、テックランドの小型店展開を3年程前から始め名寄や美唄、深川、紋別、静内などに出店したが、採算に乗らず小型展開は中止。深川店や紋別店は閉店され、他の業態の商業施設店舗として貸している。
大型店は存続すると見られていたが、昨年4月の消費増税後の消費不振で地方店は採算が悪化、体力のあるうちにこうした不採算店舗の一斉閉店を決めたようだ。
「テックランド中標津店」と「テックランド稚内店」は、22日から28日の期間で完全閉店売りつくしセールを実施中で、店舗展示品はすべて売り切って31日に店じまいする。アフターサービスは、中標津店がテックランドNew釧路店に引き継がれ、稚内店はテックランド名寄店に引き継がれる。
家電量販店ではケーズデンキが道内に札幌市内5店舗を含む28店舗を展開、ヤマダ電機に次ぐ規模。稚内市と中標津町にもケーズデンキ店舗はあるが、こちらは営業を続ける。
北海道経済産業局がまとめている道内家電大型専門店の販売動向によると、3月は135億5900万円で駆け込み需要のあった昨年3月に比べて41・4%の大幅な減少だった。